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『007/私を愛したスパイ』

イオン・プロ製作の<ジェームズ・ボンド>シリーズ、記念すべき10作目にして、シリーズ開始から15周年というダブル・アニバーサリー作品。
前作の興行的不振からロジャー・ムーアの降板要求も出たほどだったそうだが、本作は見事にこれまでのシリーズ最大のヒット作に。
ボンドはもはやコネリーではなくムーアだということが定着してきた証拠だろう。
一方で1作目からシリーズを牽引してきたハリー・サルツマンが去り(イオン・プロからも)、本作からアルバート・R・ブロッコリの単独プロデュースとなる。

今回は久々に世界を相手にした悪役が登場することで、スケールの大きなストーリーに。
秘密兵器を駆使したり、敵側も大掛りな基地(要塞?)を持っているなど、画面も派手になったが華美ではなく、この作品がムーア=ボンドの最高傑作ではないかと思う(『ユア・アイズ・オンリー』も評価は高いが)。

『007/私を愛したスパイ』_e0033570_21155410.jpgこの巨悪に対抗するべくボンドはロシアのスパイと手を組むことになるのだが、これがバーバラ・バック
対する悪側にはキャロライン・マンローを配するなど、ジャンルファンにはたまらないグラマーなセクシー美女の共演がお楽しみだが、どちらもルックスはOKながらも動きが入ると些か厳しい。
特に凄腕のエージェントであるはずのバーバラは、ボンドと互角かそれ以上という設定とは裏腹に、結局はいつものボンドに護られる女性像からなかなか抜け出せていない。
彼女がもう少し動ける女優さんだったらと惜しまれる。

もっとも肝心のジェームズ・ボンドも颯爽とはいかず、チラホラとスタントマンが目立つのがやや興ざめ。
ムーアもルックスはいいのだけれど、動きが入るとちょっと辛いものがある。
これもムーアの評価が低い一因だろう。

【ひとりごと】
トリプルXの恋人はボンド殺害に失敗し、返り討ちに。
しかし任務に出発する直前までアマソヴァと寝ていて、彼女が本部に出頭した際には既に殺された後だったということは、彼女たちがいた場所から本部まではもの凄く遠かったということなのだろうか。

【ひとこと】
ピラミッドにスフィンクス、とエジプトロケを敢行しているが、これ『ナイル殺人事件』の前年の公開だったっけ。

<過去記事>


by odin2099 | 2020-02-04 21:22 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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