
FOXニュースの看板キャスターのメーガンは、大統領候補だったトランプの女性蔑視発言を追及するが、激怒したトランプはメーガンを執拗に攻撃するようになる。
だがCEOであるロジャーは彼女を守るどころか、逆に対立を利用して視聴者の興味を引こうとしていた。
野心家の新人キャスターのケイラは自らロジャーに売り込みに行くが、彼からは見返りとして「忠誠心を見せろ」と言われて戸惑う。
一方、人気ベテランキャスターだったグレッチェンはあることを切っ掛けにロジャーから冷遇され、遂には解雇されてしまう。
周到に準備を重ねていた彼女はロジャーをセクハラで訴える。
怒り心頭のロジャーは事実無根だと反論し、またボスに逆らい彼女に追随する者はいないと見られていたが、やがて元のスタッフが一人また一人と名乗りを上げ風向きが変わってゆく。
そんな中、メーガンもケイラも決断を迫られていた。
2016年に起きた実際のセクハラ事件を題材に、登場人物たちを実名で描いたという凄いドラマ。
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの三大美女が主演で、他にジョン・リスゴー、ケイト・マッキノン、コニー・ブリットン、マルコム・マクダウェル、アリソン・ジャネイらが出演。
脚本はチャールス・ランドルフ、監督はジェイ・ローチ。
告発された元CEOのロジャー・エイルズは辞任した翌年に病死しているけれど、訴えを起こしたグレッチェン・カールソンも、賛同したメーガン・ケリーも、それ以外の多くの関係者が存命(ケイラ・ポスピシルは二人の人物をモデルにした架空のキャラクターとのこと)している中での映画化は、日本ではちょっと真似できない(しかもトランプ大統領に対しても批判的だ)。
この直後、2017年に起きたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒動が追い風になったこともあるだろうけれど、こういうのが”表現の自由”が守られた健全な社会というものなのだろう。
グレッチェンが単に”闘う女”として扱われてはおらず、メーガンも義侠心や正義感に溢れるというタイプではなく(むしろ”計算高い女”に見える)、ケイラにしても悲劇のヒロインに留まっておらず(リスクを承知で自分から深入りしていってるようにも受け取れる)、またロジャーにしてもただのセクハラオヤジの暴君として描かれているワケではないところにむしろリアリティを感じる。
「セクハラ=悪」ではあるのだが、男性であれ女性であれ、素直に登場人物の誰かに共感し、自己投影しながら見るというのは難しいのではないかなあ。
ともあれ色々と考えさせられる作品で、見終って誰かと感想を語り合いたくなる一本なのは間違いない。