先日クリスティーの
原作小説を読んだので、今度は映画の方を見直してみた。
大枠は同じだし、もちろん犯人も同じなのだけれども、映画と原作はかなり違う。

チャールズとソフィアは原作だと恋人同士だが、映画だと元恋人。
外交官だったチャールズは、CIAの協力者でもあったレオニデス絡みで、身分を隠していた孫娘ソフィアを内偵するものの、嫌気がさしたか何らかのトラブルがあったかで彼女と破局し、外交官も辞めて私立探偵に転身したという設定に。
これで一家の中でのチャールズの”余所者”感、アウェーな感じがより強調されている。
またチャールズの父は警察のお偉いさんで、その線で警察に協力する形で捜査に乗り出すのが原作だが、映画では既にチャールズの父親は亡くなっていて(何者かに殺害されたとのこと)、あくまで探偵として捜査の依頼を受ける。
ただその割に父の友人だった警察官を利用し利用され、途中からは合同捜査の色が濃くなる、といった具合。
それに人物関係をわかりやすくするためか、一堂に会した食事シーンがあり、そこで各人が罵り合うという展開もあるし、これもわかりやすくするためかジョセフィンの比重が大きくなり、彼女がある意味で物語を引っ張る役割を追わされている。
グレン・クローズ扮する大伯母イーディスの存在感がありすぎる気が多少はするものの、総じて上手くまとめられており、ソフィア役のステファニー・マティーニは聡明で美しく、チャールズ役のマックス・アイアンズも嫌味のない二枚目ぶりを発揮と、原作小説を読んだ人でも愉しく見ることが出来るのではないかと思う。
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