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『新諸国物語 紅孔雀/第一篇 那智の小天狗』(1954)

『新諸国物語 紅孔雀/第一篇 那智の小天狗』(1954)_e0033570_22020347.jpg那智の浜の代官・ 嘉門はかつてローマの聖者から紅孔雀の秘宝の鍵を授かっていたが、元は海賊の網の長者や妖術使い信夫一角に狙われていた。
那智の嘉門の子で”那智の小天狗”と呼ばれている小四郎は、網の長者の娘・久美と知り合い、また父より紅孔雀の秘宝の謂れを聞く。
嘉門は捕われ一度は鍵も奪われたものの、風小僧の協力で取り返すことが出来たが、小四郎と久美の前に再び網の長者と一角が現れる。

『白鳥の騎士』、『笛吹童子』に続く北村寿夫原作のラジオドラマ「新諸国物語」の第三弾で、『笛吹童子』に続けてスタッフ、キャストがスライドする形で映画化された。
那智の小四郎は中村錦之助で、『笛吹童子』と違ってこちらは堂々たる主演。
小四郎と恋仲になる久美には 高千穂ひづる、吉田義夫が憎々しげな網の長者を、三条雅也が信夫一角を怪演。
また大友柳太朗が”五升酒の猩々”という恍けた偉丈夫を演じているが、ハッキリ言って霧の小次郎よりもお似合いだ。

『紅孔雀』も『笛吹童子』同様にNHKの人形劇から入った。
いや違うか、『笛吹童子』放送時に『白鳥の騎士』や『オテナの塔』七つの誓い』と一緒に小説版が発売され、そちらを読んだのが先だったか。

人形劇版では紅孔雀の秘宝はアステカ王国滅亡の折に隠されたもの、という設定になっていたので、いきなり異国の地から物語がスタートしたので驚いたものだ。
この映画版はちゃんと(?)南紀州から始まっている。
もっとも余計なストーリーを付け加える余地なんかあるまい。
『笛吹童子』より長いとはいえ、週替わり上映の五部作でまとめようというのだから。
例によってまだまだ未登場の重要キャラは多く、クリフハンガー状態で幕を閉じる。

ところでこの作品の前に、『笛吹童子』のスピンオフとして『霧の小次郎』三部作、更に『霧の小次郎』のスピンオフとして『三日月童子』三部作が作られているようで非常に気になる。
他に新東宝が『白鳥の騎士』、東宝が『オテナの塔』、再び東映が『黄金孔雀城』を映画化してるらしいが、見る機会はないものか。

by odin2099 | 2020-03-25 22:08 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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