「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」「ウルトラマン/怪獣大決戦」の3本の劇場映画、それに「ザ・ウルトラマン」「ウルトラマン80」の2本のTVシリーズを残して短期間で去ってしまった<第三次ウルトラブーム>。
そのあと続く長い冬の時代のごく初期に、もしかすると<第四次ブーム>到来か?と期待させてくれたのがこの一本。
「ウルトラQ」に始まり、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンA」「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」そして「ウルトラマン80」(アニメの「ザ・ウルトラマン」は除外)を一つの作品世界としてとらえた”動く怪獣図鑑”と呼べるこの作品は、まだビデオで気軽にシリーズを振り返ることの出来なかった時期には貴重な存在だった。

ただ時間配分を考えると、ゾフィーの解説で進められる1時間半弱の上映時間中、ウルトラマンが出てくるまでが約20分で、ここまでは怪獣オンリー。
そしてウルトラマンが出てからはひたすらその活躍ぶりが紹介され、ゼットンに敗れるまでが50分ほど。
その後でようやくセブン以降のウルトラ兄弟たちの出番となるので(しかもレオとアストラ兄弟、それに80とユリアンは番外戦士として扱われている)、当時もなんとなく不公平感を持っていた。
ぶっちゃけウルトラマンの映像は見飽きてたので(<第三次ブーム>時に「ウルトラマン」の再編集映画が2本作られていたわけだし)、もっとセブンたちを出せよ、と思ったものである。
ジュダは出てくるものの存在そのものが無視されてる「アンドロメロス」も不遇だ。
<第三次>とこの幻に終わった<第四次>の架け橋となる作品なのに…。
また同じく無視されてる「ザ・ウルトラマン」だが、「ウルトラマン/怪獣大決戦」から映像と主題歌を流用しているため、ウルトラファミリー勢ぞろいのシーンにチラっと映り、また主題歌の歌詞にも「ジョーニアス」の名前が残る結果に。
この作品から「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンII世」「帰りマン」「新ウルトラマン」「新マン」などと呼ばれていたヒーローに「ウルトラマンジャック」と名前が付けられたのは賛否両論だが、「帰マン」が「ジャック」になるまでが13年、そして「ジャック」が誕生してからすでに36年だから、圧倒的に「ジャック」時代のほうが長い。
もうそろそろ意地を張らずに認めてやってもよいのではないか。
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