王女リリーは森に棲む少年ジャックに導かれ、ユニコーンと出会う。
その神秘的な美しさに惹かれた彼女はユニコーンに触れてしまうが、その隙を突いた闇の魔王によってユニコーンの角は折られてしまい、世界は氷の中に閉じ込められてしまう。
リリーは闇の魔王に連れ去られ、ジャックはリリーを取り戻し世界を救うべく、出会った妖精たちとともに魔王の城へと向かう。
ジャックに『トップガン』に主演する前のトム・クルーズ、リリーにこれがデビュー作となる
ミア・サラ、魔王に
ティム・カリーを配したファンタジー映画。
監督はリドリー・スコット。
特殊メイクはロブ・ボッティンが担当し、音楽を手掛けたのはジェリー・ゴールドスミスとなかなか豪華な布陣だ。
金をかけておとぎ話を映画化しました、という一篇で、とにかく映像は美しい。
森の中や魔王の城、登場するクリーチャーのクオリティなどは、ファンタジー世界の描写として今日でも他作品には決して引けを取らないだろう。
ただキャラクターが沢山出るものの活かしきれておらず、お話も単調で盛り上がらない。
もっと台本作りにも金をかけるべきだったか。
もっとも元々は2時間超えの作品だったものを1時間半に切り詰めたということらしいので、舌足らずなのはそのせいかもしれない。
長髪で少年の面影を残すトム・クルーズは新鮮で、対するミア・サラのお姫様も正に清純を絵に描いたよう。
これが後半闇落ちし、もう一つの顔を見せてくれるのだが、そのギャップもまた良し。
不満点は多々あるものの、ファンタジー映画ファンなら一見の価値ありである。