『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
2020年 04月 30日
「左、失礼!」から始まる物語。
公園をジョギングする退役軍人を何回も周回遅れにした挙句、「それで本気で走ってるの?」と大真面目で宣う大人げない男。
それが終生の相棒となるキャップことスティーブと、ファルコン=サムとの出会い。
サム、ここでよく切れなかったな。

続くレムリアスターでのアクションシークエンスは、流れるようなスピード感と相まって<MCU>作品に間違いなく新風を吹き込んだし、スーパーヒーローではないキャップの個性の描き方としても後の作品群へ与えた影響大。
元々今回のスティーブのパートナーとして凄腕の女スパイ、ブラック・ウィドウがいたとはいえ、スーパーヒーロー物ではなくエージェント物、スパイアクション物へと舵を切ったのも大成功。
フューリーが襲われ、スティーブも狙われ、組織からも追われ、誰が敵やら味方やらというシチュエーションはスパイ物の定番だ。
そしてスティーブの前に現れた謎の暗殺者ウィンター・ソルジャー、その正体は死んだはずの親友バッキー?!
「昔の親友が裏切って刺客となる」というのもヒーロー物の定番。バッキーの場合は裏切りではなく洗脳だが、こうしてみると正攻法で描いたヒーロー物の王道を行く作品だということがわかる。
また一連の事件の黒幕としてロバート・レッドフォードを担ぎ出したのも<MCU>を大いに活性化させることに寄与している。
これまでも「マイティ・ソー」にアンソニー・ホプキンス出演したことはあったが、本作にレッドフォードが出たことで<MCU>の格が上がったのは確かだろう。ヒット作が連発したこともあり、以後の<MCU>には大物俳優の出演が当たり前のようになった。これはレッドフォードの有形無形の貢献だと思う。
ラストシーンは病床のスティーブの傍らに佇むサムの姿。
目を覚ましたスティーブは「左、失礼」と呟く。
これが後々、「アベンジャーズ/エンドゲーム」での感動を生むことになろうとは、この時点では想像すら出来なかったが。

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