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『スター・トレックII/カーンの逆襲』

劇場版シリーズの2作目だが、前作「スター・トレック」の直接の続きではない。
エンタープライズ号のセットも改められ、乗組員たちのコスチューム(ユニフォーム)も一新されているので、雰囲気はまるで別物である。

邦題だが、劇場公開時やその後のVHSやLDでのソフト化の際も「スター・トレック2」と算用数字の「2」の表記だったのに、いつの間にかローマ数字に変更されている。
元々このシリーズは2作目から5作目までが算用数字で、6作目で突如ローマ数字に変わったのだけれど、今はそちらに合わせる形で調整するようになったようだ。DVD、Blu-rayは共にこの表記である。
ちなみに原題は最初からローマ数字表記で統一されている。

タイトル変更といえば当初の副題は”Vengeance of Khan”だったのだが、「スター・ウォーズ」の3作目が”Revenge of the Jedi”であったために、ルーカスフィルムが似ていると抗議。
その結果”The Wrath of Khan”に改められたという経緯があるのだが、当の「スター・ウォーズ」はその後に”Return of the Jedi”に改題したというオマケがつく。一体何をしたかったのやら。

『スター・トレックII/カーンの逆襲』_e0033570_07261687.jpg「スター・トレック」を配給したパラマウント映画は、この抗議を跳ね除けても良かったはずだが、ルーカス・フィルム製作の「インディ・ジョーンズ」シリーズの配給も受け持っていたために、機嫌を損ねないように折れたという話である。

それはともかく金かけた超大作だった前作に比べ、こちらはこじんまりした仕上がり。
ストーリーもTVシリーズの1エピソードの後日談でコストパフォーマンスは上昇。この作品が当たらなければ映画がシリーズ化されて続くことも、TVで新シリーズが始まることもなかっただろう。

こじんまりとはいうものの、老いを自覚し始めたカーク個人にとっては、昔の仇敵からの復讐のターゲットにされ、我が身を犠牲にした親友の死を看取り、別れた恋人と再会し、そして反発する息子との和解を果たし、と波乱万丈。
ようやくカークの、仲間たちの新しい物語が始まる、その序章的な位置づけとなっている。

カークの昔の恋人キャロルはリブートされたシリーズにも登場するが、あちらの世界でもカークの子供を身籠るようになるのだろうか。

【ひとりごと】
スポックは「アメイジング・グレイス」で送られる。
そしてサーヴィックの目には涙。”地球人”的な描写だ。

<過去記事>


by odin2099 | 2020-05-04 07:33 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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