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『ファースト・マン』

<マーキュリー計画>に続くのは<ジェミニ計画>、そして<アポロ計画>。
『ライトスタッフ』の次に見るのは、人類初の月面に降り立った男、ニール・アームストロングの話。

この映画も宇宙開発競争史、アポロ11号の月面着陸ミッションの裏側、いわゆる”知られざる秘話”を描いた映画だとばかり思っていたのだが、いざふたを開けてみるとあくまでニール個人を捉えた映画だった。

『ファースト・マン』_e0033570_19564838.jpgこのニール、優秀なパイロットではあるものの、感情を表にあらわさない面白みのない、どちらかといえば扱い人物として描かれており(劇中でもライアン・ゴズリングは殆ど表情を変えずに演じている)、彼が参加したジェミニ8号のミッションもアポロ11号のミッションも、どちらもトラブルを含んでいるために緊迫感はあるものの、高揚感や爽快感とは無縁の淡々とした描写に終始している。

そしてアポロ11号の華々しい成功で締めくくるでもなく、また宇宙飛行士引退後の生活に触れることもなく、全体を通して重苦しいトーンに包まれたまま、映画は静かに幕を下ろす。
このニールの、僅かに滲み出てくる隠れた人間性、これに興味を抱けなければ、この作品はただただ退屈なものと化すだろう。

【ひとりごと】
この作品にはチャック・イェーガーやガス・グリソム、ジム・ラベルといった、他の作品で中心的に描かれる人物がニールの関係者として登場してはくるものの、取り立てて注釈が付くわけではないので知らなければそのまま流してしまいかねないのが勿体ない。

<過去記事>


by odin2099 | 2020-05-11 20:08 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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