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『荒鷲の要塞』(1968)

第二次大戦の最中、一人の米国将校が独軍の捕らわれの身となった。
彼は大規模な極秘作戦の立案者でもあったのだ。
機密情報が洩れる前に将校を救出せんと、スミス少佐以下6名の英国軍諜報部員と、米国レンジャー部隊員であるシェイファー中尉が”荒鷲の要塞”と呼ばれる基地へと潜入する。
だが到着早々メンバーは一人また一人と不可解な死を遂げ、情報が独軍に筒抜けとなっていた。

『荒鷲の要塞』(1968)_e0033570_20021561.jpgアリステア・マクリーンのオリジナル脚本を、ブライアン・G・ハットンが監督(のちにマクリーン自身が小説化)。
出演はリチャード・バートンクリント・イーストウッド、メアリー・ユーア、マイケル・ホーダーン、パトリック・ワイマーク、ロバート・ビーティ、アントン・ディフリング、イングリット・ピットら。
これも四半世紀ぶりくらいの再見。

戦争映画というよりスパイアクション映画で、序盤から二重スパイの存在は仄めかされるわ、スミスはメンバーに隠れて女性諜報部員と密会するわで、誰一人信用出来ないというムードを醸し出す。
途中でスミスが何やら別命を帯びているらしいことがわかり、二重スパイの正体が明らかになったあたりから一気に収束へと向かうかと思いきや、ここで更に二転三転のどんでん返しが待っている。

後半は要塞からの脱出行がメインとなるが、ここは大掛かり過ぎる。
どれだけ爆薬持ち込んだんだ?というくらい爆破のオンパレード。
しかも味方は少数で絶体絶命のはずが、何故か敵の弾は一発も当たらず、味方の攻撃はクリティカルヒット! 
これが延々と続くと些か興ざめだ。
最後は無事に逃げおおせてメデタシメデタシかと思いきや、やはり黒幕は別にいる、という展開が待っている。

沈着冷静というより何を考えてるかわからないバートンが不気味な一方、実直なイーストウッドが対照的で儲け役。
彼が唯一の米国軍人というところに意味があるのだが、メンバーたちの描き分けが不十分なので、二重スパイ探しも今一つ盛り上がらない。
個々のキャラクターを立て、また例えばメンバー全員が顔見知りの中、ただ一人の余所者であるシェイファーが孤立する、というようなシーンでもあればもっと深みが出たろうに。

上映時間155分はかなり冗漫で、シナリオの時点や演出、編集の段階でもっとテンポ良く切り詰められたのではないかと思うが、それでもミステリー仕立てからのドンパチは嫌いじゃなく、同じマクリーン原作モノでは傑作と呼ばれる「ナバロンの要塞」よりはお気に入りだ。


by odin2099 | 2020-05-16 20:15 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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