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『ピアノマニア』(2009)

スタインウェイ社の調律師シュテファン・クニュップファーに密着したドキュメンタリー映画。

『ピアノマニア』(2009)_e0033570_21383414.jpgメインになっているのはバッハの録音を控えた、ピエール=ロラン・エマールとの丁々発止のやりとり。
録音の一年前からまずどのピアノを使うかに始まり、半年前そして録音当日も、一曲ごとに異なる一音一音へのこだわりから細かい注文を出し続けるピアニストと、それに必死に応えようとする調律師との共同作業、いや真剣勝負。

その合間にも他のピアニストやオーケストラと組んだコンサート、果ては冗談音楽(?)の場にもと八面六臂の多忙ぶり。
同じピアノといえども一つ一つにそれぞれ個性があり、また弾き手の技量や癖、演奏される場所(ホール)、環境(湿度など)によっても異なる音が出る。
その上での完璧を目指す演奏家と、職人の矜持、意地とのぶつかり合い。
正直そこまで凄まじい世界だとは想像していなかった。

ただ映画そのものは決して悲壮感に溢れるようなものではなく、遊び心に溢れたものになっている。
辛いこともあるだろうが、自分の仕事に心底誇りを持ち、そして愉しんでるプロの顔がそこにある。


by odin2099 | 2020-05-19 21:49 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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