<スカイウォーカー・サーガ>おさらいの5本目は、
「クローンの攻撃」に続くエピソード3。
何度も繰り返し見ていると、色々な視点で味わうことを覚えます。
序盤のパルパティーン最高議長の誘拐事件は、ダース・シディアスことパルパティーンの自作自演ですが、シディアス=パルパティーンを知っているのはダース・ティラナス=ドゥークー伯爵のみ。グリーバス将軍は知らないはずです。
となると途中でドゥークーは見捨てちゃうし、人質になっている時やアナキンやオビ=ワンとの脱出行の間、身の危険は感じなかったんでしょうかね。
アナキンやオビ=ワンが任務に失敗する可能性、事情を知らないグリーバスに殺されちゃう可能性、どちらも考えられます。
もちろん「最高議長は必ず生かせ」とシディアスの口からグリーバスに厳命してるでしょうが、不慮の事故ということもあり得ますし随分とリスクの高い作戦です。
まあ絶対の自信があったんでしょうが。

事件を解決し帰還したアナキンを出迎えたのはパドメ。
この時二人は公衆の面前で、ではないものの、まだ周囲に誰かいそうなのにも関わらず、人目を気にせず抱擁します。
アナキンはジェダイの騎士の中でもなかなかの有名人のようですし、アミダラ議員も議会の中では注目を集める存在のようですが、スキャンダルを狙うパパラッチのようなジャーナリストはこの世界にはいないんでしょうか。
これも一歩間違えれば全てを失いかねない、そして組織としての信用も失墜するリスクの高い行動です。
また物語の終わりにはパドメの葬儀のシーンがありますが、そこでのパドメはルークとレイアを隠して育てるため、まだ妊娠中であると偽装した姿で埋葬されます。
国民は突然のパドメの死にも驚いたでしょうが、それよりも国民的な英雄というかいわばアイドルであった彼女が、父親のわからぬ子供を身籠っていたことにも大きなショックを受けたのではないかと思うのですが。
パルパティーンはジェダイ評議会における自分の代理人とし、ジェダイはパルパティーンに対するスパイにしたい、ということで両陣営がアナキンを巡って綱引きを始めます。
自分を全肯定して認めてくれるパルパティーンと、どうも自分を認めてくれないジェダイ評議会、どっちを好ましく思うかといえばそれは当然…。
ここで評議会が素直にアナキンをマスターにしていれば後々こじれることはなかったかもしれませんが、ジェダイ内部のことに口出しして欲しくない評議会としてはパルパティーンの意向をはね付けます。
パルパティーンがアナキンを通して評議会へ意見すればするほど、評議会は反対の方向へ進んでいきます。
このあたりパルパティーンは抜け目がないですね。
そして両陣営の板挟みになり、益々孤立するアナキンを動かすキーワードは「パドメの死」です。
遂にダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーとなってしまうアナキン。
その決定打となったのは、メイス・ウィンドゥに止められていたにも関わらず、メイスとパルパティーンの対決の場に居合わせ、そして介入してしまったこと。
エピソード1より一貫して悪い奴にしか見えなかったメイスですが、これがミスリードだったならお見事です。
そうでなければミスキャストだと思います、サミュエル・ジャクソン。
この時オビ=ワンは遠くコルサントから離れています。
グリーバスの情報を教え、その討伐の任にアナキンを与えるように進言したのはパルパティーンですから、当然評議会は別の人間を派遣することを決定し、その任務についたのはオビ=ワンでした。
一方アナキンはコルサントに留め置かれますから、パルパティーンが直接アナキンに働きかけることは容易になります。
例えばシスの暗黒卿の正体を明らかにしたパルパティーンの逮捕に向かったのが、メイスではなくオビ=ワンだったらアナキンは何が何でもパルパティーンを助けようとしたでしょうか。
メイスには躊躇なく自分の力を振るったアナキンでしたが、メイスはアナキンを全面的には信頼しておらず、アナキンも随所でメイスに対する反発心を隠していなかったことが伏線になっていました。
が、もしこの時の相手がオビ=ワンだったら…?
ひょっとするとアナキンの闇落ちは回避されていたかもしれません。
クライマックスはオビ=ワンとアナキンの師弟対決。
両者一歩も譲らず、というよりもアナキン、やや有利か。
その一瞬の隙を突いたオビ=ワンの勝利に終わりますが、重傷を負ったアナキンを助けようと思えば助けられたはず。
ところがオビ=ワンはアナキンのライトセーバーを拾い上げて立ち去るのみです。
アナキンは戦い始める前に「あんたを殺したくはない」とオビ=ワンに告げますが、オビ=ワンは殺す気満々だったのでしょうか。
意識的か無意識かは兎も角、手加減したが故にアナキンはオビ=ワンに後れを取ったのでしょうか。
穿った見方をすれば、アナキンの能力は全ての面でオビ=ワンを凌駕しており、オビ=ワンとしては全力で当たらなければ勝ち目はない、という判断だったのかもしれません。
アナキンを見捨てて去ったのは、このまま放置しておいてもアナキンの死は免れ得ず、さすがに自分の手でトドメをさす勇気まではなかった、と解釈すべきでしょうね。
ただこのオビ=ワンの温情というか甘い判断が、後々の銀河へ大いなる恐怖をもたらすことになってしまうのですが。
ラストでオビ=ワンはタトゥーインの地に降り立ち、ラーズ夫妻に幼いルークを託します。
この時ベルーは笑顔でルークを受け取りますがすぐに踵を返し、オーウェンはオビ=ワンと目を合わせようともしません。
後のエピソード4などでもベンと名乗ったオビ=ワンをオーウェンは毛嫌いしていたことが語られますが、二人はこの時が初対面だったと思われます。
一体何があったのでしょう。
そしてアナキンの物語には遂に決着が。
以下、次項。
<過去記事>
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