『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』
2020年 05月 25日
"No, I am your father.”
前作「帝国の逆襲」での有名なベイダーの台詞の真偽は、エピソード1から3までを見ることで明らかになるが、この<オリジナル(クラシック)トリロジー>で語られる”過去”と、後で作られた<プリークエル・トリロジー>の描写で辻褄が合わない箇所が幾つもあるのはご存知の通り。
ルーカスは辻褄合わせにはあまり関心がなかったようだが、もう少し何とかして欲しかったもの。
もっとも「スター・ウォーズ」自体が巷間言われているような緻密な計算に基づくものではなく、案外行き当たりばったりに作られていることの傍証にもなるのだが。

今回はルークとベイダーを両天秤に。
ルークが勝てば新たな弟子に、ベイダーが勝てば今まで通りという算段だったろう。
ルークとベイダーが共闘することは万に一つも考えなかったようだ。
ルーク自身はベイダー(アナキン)を改心させることが勝利の鍵だと、当初から踏んでいたようだが。
そしてパルパティーンの誤算は、そのベイダーがルークを護って反旗を翻したこと。
だがベイダーを選び、ルーク抹殺を決意したタイミングでベイダーに足をすくわれるとまでは予期していなかったのではないか。
それはかつてアナキンを暗黒面に導いた時に使ったウィークポイントを、パルパティーンは失念していたか気にも留めなかったからだ。
そう、アナキンは喪失を恐れるのだ。今度の場合は、息子を失う怖れを。
かくして「フォースにバランスをもたらす」との予言は成就され、銀河に平和が訪れた。
――はずだった。
<過去記事>
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