『フランケンシュタイン』(1994)
2020年 05月 30日

という導入部から、母の死や自身の研究に対する弾圧や迫害を経て禁断の世界へと足を踏み入れていくヴィクターと、その恋人や友人。
そしてヴィクターが産み出してしまった”クリーチャー”に焦点を当て、疑似関係を含むいくつかの親子を描いた作品。
フランケンシュタインの怪物といえば、ユニバーサル映画でボリス・カーロフが演じたものがあまりにも有名だが、今回は従来のイメージを覆す斬新なデザインのクリーチャーになっている。
――と言いたいところだが、どう見ても継ぎ接ぎだらけの特殊メイクを施したデ・ニーロにしか見えないのは賛否両論だろう。
その分”怖さ”よりも”哀れさ”が強調されているのは、「父に愛されなかった息子の物語」だという作品のテーマには沿ったものだと言える。
実際、ホラー映画というよりも素直に古典文学作品の映画化、として受け入れることが出来、仰々しいだけの『ドラキュラ』よりも面白い。
【ひとこと】