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『ランボー/最後の戦場』(2008)

ランボー」「ランボー/怒りの脱出」「ランボー/怒りのアフガン」に続くシリーズ第4弾。

タイ北部で隠棲生活を送っていたランボーに、NGOのグループが隣国ミャンマーへの道案内を依頼する。
一度は断ったランボーだったが、メンバーの一人であるサラの熱意に打たれ彼らを送り届けるのだが、後日彼らが冷酷なミャンマー軍に捕らわれてしまったことを知る。
彼らを救い出すために傭兵たちが雇われ、再び道案内としてミャンマーへと同行することになったランボーはメンバー入りを志願するが、リーダーに拒否される。
だがたちまちミャンマー軍の襲撃を受け、窮地に陥った傭兵たちを救ったのはランボーだった。

『ランボー/最後の戦場』(2008)_e0033570_22293983.jpgミャンマー軍は徹底して「悪」として描かれ、ランボーは容赦なく敵を叩きのめす。
最初のうちは暴力を否定していたNGOの連中も、いざ戦場に放り込まれ命の危険を感じると、怯え、震え、立ちすくみ、最後には襲ってきた相手に暴力を振るう始末。
結局は暴力によって救われ、暴力によって解決するというのは皮肉だろう。

そしてその暴力シーンは、目を覆いたくなるほど凄惨で凄まじい。
首が吹っ飛び、手足が千切れ、土手っ腹には穴が空く。
これらの残酷描写はシリーズ随一だが、これは現実の戦場をリアルに描写した結果だというのが、シリーズ初監督となったスタローン自身の弁だ。

それにしても相手側がただの悪い奴=敵としか描かれておらず、その背景は無。
ランボーもヒーローではなく、もはやターミネーターもかくやという殺人マシーンだ。
80年代ならそれでも良かったかもしれないが、現代の作品としては如何なものか、とは思う。
爽快なアクションムービーとは明らかに一線を画している。

ちなみに今回のランボーは、スタローンの年齢を考慮したのか肉体美を披露するシーンもないし、格闘シーンだけでなく全体的にアクションは控えめ。
ただこれまでの作品にあった、裏切られて捕まって拷問を受けて…からの逆転劇というものが一切なく、戦場に飛び込んでからは危機に陥ることもないのでランボーの強さは際立っている。

【ひとりごと】
邦題には「最後の」という言葉が付いているが、5作目が昨年秋に公開。
日本でもまもなく公開される予定だ。


by odin2099 | 2020-05-30 22:56 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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