最初は『仮面ライダーディケイド』と『仮面ライダーW』の二本立てとアナウンスされていたと思うが、蓋を開けてみると『ディケイド』パートと『W』パート、そして両者が共闘する『MOVIE大戦』パートの三つからなる一本の作品だった、<平成仮面ライダー>初のお正月映画。
これが当たったのだろう、形を変えて十年も続いてるのだから、年末年始の<ライダー>映画はすっかり定着したといっても良い。
新型コロナの影響はあっても、今年の暮れから正月にかけても銀幕にライダーの勇姿は映し出されるに違いない。

『ディケイド』はある意味で人を食ったかのような作風が特徴だったが、それはこの映画版でも踏襲。
士が何をやりたかったのかがサッパリわからないし、一度は敵対したユウスケや夏海がなぜ士を助ける側に回るのか、そして周囲をウロチョロしている海東にしてから芯がブレブレ。
なんだかこじれた恋愛ドラマを見せられてるようでもあって釈然としないのだが、これは格好良ければ全て良し、という作りなんだと納得するしかないのだろう。
ゲスト出演の
広瀬アリス、初々しいと言いたいところだがその逆で、15歳には思えない大人っぽさが垣間見える。
『W』は、これが
菅田将暉の映画デビュー作ってことになるのか。
こっちは当時16歳で年相応に見えたものだし、演技が拙いなと感じる部分もあったのだけれど、今見るとかなり難度の高い芝居をさせられていたのだな。
現在の活躍に繋がる萌芽は確かにある。
ただこの映画に関しては、好むと好まざるとにかかわらず吉川晃司に尽きる。
彼が演じる鳴海壮吉こそ、真の主役だ。
ドラマの出来としては圧倒的に『W』パートが上で、『W』単独作として作った方が作品の完成度は高まったはず。
『MOVIE大戦』パートも、他の平成ライダーたちも参加して派手に盛り上げようとしているが、『W』パートの締めくくりと考えると浮いている。
別々の話を最後にドッキングさせるスタイルは新しい取り組みとしては評価するが、出来上がった作品はいずれも微妙で、やがてこのパターンは受け継がれなくなっていく。
この作品では
石橋蓮司と
寺田農という個性派俳優のツーショットを拝めるのだが、やはり
井上正大、戸谷公人、
村井良大、
瀬戸康史、
桐山漣、菅田将暉といったイケメン俳優の名前がズラリと並ぶ様はリアルタイムを知らない若い層にもアピールしそうだ。
友情出演として、2.5次元で活躍している
鈴木拡樹の名前もある。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/11764838/https://odin2099.exblog.jp/12742137/