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『金田一少年の事件簿』(1996)

舞台演出家の黒沢に招かれ、一と美雪、それに剣持警部は孤島のホテルとやってきた。
その島で上演される人気劇団の芝居「オペラ座の怪人」を愉しむためである。
だがリハーサルが大詰めとなる中、落下したシャンデリアの下敷きになった看板女優の遺体が発見されたが、その死因は絞殺だった。
劇団員や関係者たちが疑心暗鬼に捕らわれ互いに罵り合う中、外界との接触を断たれた孤島は密室と化す。
そして第二の犠牲者が…。

『金田一少年の事件簿』(1996)_e0033570_21591509.jpg人気漫画の劇場版アニメの一作目で、TVアニメ版に先駆けての公開。
「じっちゃんの名に懸けて」の高校生探偵を演じるのは、TVシリーズの松野太紀ではなく”もうひとりの”高校生探偵役でお馴染みの山口勝平。剣持警部役は意外や意外の夏八木勲だ。

「オペラ座の怪人」に準えた連続殺人事件――のように見せかけた、とある人物の復讐譚。
出てくる人物が皆怪しい連中ばかりで、約90分の上映時間のうち60分までは登場人物たちが右往左往してるだけという印象を受ける。
トリックは敢えて攪乱させるために手がかりを残しているようだし、犯人の動機や目的もさっぱりわからない。

ところが残り30分で金田一一が突如真犯人を名指しすると、今度は一転して推理劇そっちのけで真犯人に肩入れした復讐の動機が提示され、犯人は一躍悲劇の主人公と化す。
これ、きちんと整合性が取れているのかなあ。

金田一くんのキャラクターにあまり魅力を感じないし、ミステリー、サスペンス物としてもあまり納得はしないのだが、まあ90分は愉しく見ていられる。
そういやこの作品も前に一度見ているはずだけれども、全く覚えていなかったなあ…。


by odin2099 | 2020-06-11 22:12 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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