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『戦争の犬たち』(1980)

とある資産家の代理人から依頼を受け、傭兵のシャノンは西アフリカの小国ザンガロへと潜入する。
独裁者による軍事政権打倒の可能性を問われたシャノンは、国内勢力では無理だが外部からのクーデターならなら可能と報告。
一度は断ったものの結局は仲間を集め、再びザンガロヘ乗り込むことになる。

『戦争の犬たち』(1980)_e0033570_22084257.jpg邦題からはストレートな戦争映画の印象を受けるが、序盤は敵地へ潜入したシャノンの内偵ぶりを緊迫したタッチで、中盤はクーデター計画の立案から武器の調達の過程を、情報を嗅ぎ付け付きまとうジャーナリストや真の目的を伏せた依頼人の暗躍を交えて描き、終盤になってようやく軍事行動が始まるという構成。
全体としては戦争映画よりもスパイ・アクション物、ミステリー・サスペンス物の要素が強い。

原作はフレデリック・フォーサイスの小説。
驚くことに、フォーサイス自身がかつて『ジャッカルの日』の印税を使って赤道ギニア共和国に対しクーデターによる政府転覆を企てたが、結局は失敗に終わったという経験をもとに書かれたのが本作なのだとか(本人は後に関与を否定)。

出演はクリストファー・ウォーケン、トム・ベレンジャー、コリン・ブレイクリー、ヒュー・ミレー、ポール・フリーマン、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジョベス・ウィリアムズ、ロバート・アークハート、ウィンストン・ヌシュナ、監督はジョン・アーヴィン。

情報量が多すぎるので消化不良な面はあるし、潜入調査の場面にしろドンパチの場面にしろもう一工夫欲しいなと思わないでもないが、裡に狂気を秘めたクリストファー・ウォーケンを筆頭に、善人が一人も出てこず、最後までひねりを加えたストーリー展開はなかなか楽しめる。

しかしこの映画もその昔に見たことがあるし、確か原作小説も読んだはずなのだが、ちっとも覚えていなかったのには我ながら呆れる…。




by odin2099 | 2020-06-16 22:18 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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