『戦争の犬たち』(1980)
2020年 06月 16日
邦題からはストレートな戦争映画の印象を受けるが、序盤は敵地へ潜入したシャノンの内偵ぶりを緊迫したタッチで、中盤はクーデター計画の立案から武器の調達の過程を、情報を嗅ぎ付け付きまとうジャーナリストや真の目的を伏せた依頼人の暗躍を交えて描き、終盤になってようやく軍事行動が始まるという構成。原作はフレデリック・フォーサイスの小説。
驚くことに、フォーサイス自身がかつて『ジャッカルの日』の印税を使って赤道ギニア共和国に対しクーデターによる政府転覆を企てたが、結局は失敗に終わったという経験をもとに書かれたのが本作なのだとか(本人は後に関与を否定)。
出演はクリストファー・ウォーケン、トム・ベレンジャー、コリン・ブレイクリー、ヒュー・ミレー、ポール・フリーマン、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ジョベス・ウィリアムズ、ロバート・アークハート、ウィンストン・ヌシュナ、監督はジョン・アーヴィン。
情報量が多すぎるので消化不良な面はあるし、潜入調査の場面にしろドンパチの場面にしろもう一工夫欲しいなと思わないでもないが、裡に狂気を秘めたクリストファー・ウォーケンを筆頭に、善人が一人も出てこず、最後までひねりを加えたストーリー展開はなかなか楽しめる。





