
母に女手一つで育てられた敦彦は、人付き合いが苦手な大学生。自宅で気ままに研究に打ち込んでいる。
高校生の妹・美羽とは仲の良い兄妹として暮らしていたが、いつしか一人の女性として意識しだし、その感情を必死に抑えていた。
美羽にボーイフレンドが出来ても、母親に再婚話が持ち上がっても平静を装っていたのだが、ある日偶然に自分たちの重大な秘密を知ることになる。
序盤は兄視点で描かれ、中盤では今度は同じシーンが妹視点で(それぞれのモノローグ付きで)語りなおされる、という構成はなかなか面白い。
兄が妹に対して妄想を抱いていたのと同じように、妹も兄に対して妄想を抱いていたというのはご都合主義ではあるものの、そうでないとお話は先へ進まない。
結局二人は子連れ道士の再婚で兄妹になったため、血の繋がりはない。
そのことを知った美羽は、母が自分たちに対して隠し事をしていたこと、そのことで自分の感情を偽らなければならなかったことで自暴自棄になり、母親の再婚話も素直に喜べなくなってしまうが、そんな美羽を敦彦は優しく受け止め二人は遂に結ばれる。
城定夫名義の
城定秀夫が脚本・監督を務めたビデオ用映画で、主演は
さくらゆら。
顔も声も仕草も可愛らしく、こんな妹がいたら間違いを起こすかも?というファンタジーに説得力をもたらす好演。
エロティックな場面も控えめなのが、美羽というキャラクターの純真無垢さを際立たせている。
彼女、かなり人気もあったはずだが、途中で体調不良やら留学やらで休業したり、最後は病気療養で引退と、活動期間が比較的短かったことが惜しまれる。