【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち』(1979)

映画の『さらば宇宙戦艦ヤマト/愛の戦士たち』ではなくTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』を受け、パート3へのブリッジとなるべく製作されたTVスペシャルです。後に『ヤマトよ永遠に』のアンコール上映に合せて劇場公開もされました。
これまで2本のTVシリーズを放送してきたよみうりテレビではなく、フジテレビ系列での放送だったことも驚きですが、これはその前年に劇場版パート1のノーカット放送を実現させた縁からでしょう。流石に機を見るに敏といったところでしょうか。夏休み真っ盛りの1979年7月31日に放送され、高視聴率を稼ぎ出しております。

e0033570_2347444.jpg『さらば』に涙したファンにとっては、『ヤマト2』共々蛇蝎の如く忌み嫌われている(苦笑)この『新たなる旅立ち』ですが、個人的にはシリーズ中で一番好きな作品かもしれません。
正味1時間半という分量ではありますが、パート3への橋渡しという役目を担っているために、この一本で全てを解決させる必要がなく、そのためか物語の進行が非常にゆったりしております。またどちらかというとヤマトは脇に回り、真の主人公はデスラーです。そのデスラーが、ガミラスとイスカンダルにまつわるシリアスなドラマを展開していきますので、反面ヤマト側はパート2あたりでは望めなかったズッコケぶりを披露してくれたりで、これがまたキャラクターの幅を広げる役目を果たしてくれています。そしてシリアスムードのデスラー側と、コミカルなヤマト側のドラマが交互に描かれていくので、とても見易い作品になっているのです。
反面、デスラーとヤマトが合流してからは一転して悲劇的な流れになり、結局はパート2同様の自己犠牲による結末を迎えてしまうところに、『宇宙戦艦ヤマト』という作品の持つパターンの限界が見て取れたりもするのですが。

またこの作品、メインスタッフから松本零士、舛田利雄両監督の名前が消えています。
消えているといっても”監修”という形でクレジットは残っているのですが、この時期松本零士は映画『銀河鉄道999』に掛かり切りで忙しく(『新たなる旅立ち』放送の4日後から公開されました)、舛田利雄も『二百三高地』の準備に追われて多忙だったためですが、そのために初めて”総監督:西崎義展”というクレジットが登場します。
言ってみれば西崎プロデューサーのワンマン作品だということにもなりますが、これがかえって「船頭多くして・・・」とは逆の効果を生み出したような気もします。怪我の功名というやつかも知れませんが。
また従来から参加していたスタッフの多くは、この作品を最後に離れていっています。作品同様に世代交代が行われた作品だとも言えるでしょう。

ところでこの作品、『ヤマト2』放映中の年明け早々にはファンに告知されていましたが、今のようなインターネット全盛時代ではありませんでしたので、そのことを知らないファンも多かったですね。
また、仕上がった作品は2時間近くあったもののテレビ局からの要請でカットしたこと、それに79年の暮からお正月にかけて劇場公開を考えていたことなども、意外に知られていないかもしれません。

後は、これは結構有名な話ですが、当初の放送予定は7月21日でした。
どうやら製作が間に合わず延期になったようですが、それでもフィルムの完成は放送前日のお昼過ぎだったとのこと。『さらば』も公開の数日前だかに完成したそうなので、最後まで妥協を許さない作品作りは評価出来るものの、やはり期日までに仕上げてこそのプロだとは思います(後の『永遠に』は比較的余裕のあるスケジュールだったようですが、『完結編』は公開日をずらしたものの、一部の劇場では間に合わなかったようです)。
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by odin2099 | 2006-03-04 22:39 | テレビ | Trackback(4) | Comments(8)
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Commented by こっきぃ at 2006-03-05 06:42 x
「新たなる旅立ち」は「永遠に」へつなぎとして作成されてのでは
ないでしょうか?
両作品とも「暗黒星団帝国」を敵キャラとして描いておりますので。
Commented by odin2099 at 2006-03-05 08:46
>こっきぃ様

その通りです。
翌年に映画でパート3を作るのを前提に、このテレ・フューチャーは作られました。
その時に出たアイディアのうち、松本零士原案のものが映画『永遠に』へ、
西崎義展原案のものがTVシリーズの『III』へと発展していったようです。
Commented by こっきぃ at 2006-03-06 20:44 x
「新たなる」で整合させたかと思えば、「永遠に」「パート3」に、また分岐ですか。子供にはわからない、裏の背景があったのですね。

「永遠に」「パート3」とも美しい作品ですが、「永遠に」がスキです。
デスラーが登場しませんが、澪がよいので(笑

Commented by odin2099 at 2006-03-06 22:54
『永遠に』は、予定では今週末あたりに見るつもりです。
出来不出来はともかくとして、シリーズでは一番思い入れが強いかもしれません。
真田澪は僕も大好きです♪
スピンオフした『オーディーン』のサラも(笑)。
Commented by シュリマスター at 2006-08-15 10:31 x
TBありがとうございます。最近更新が出来ず。 お礼のコメント遅くなりました。 また、気持ちを新たに更新をしたいと思いますので、よろしくお願い致します。
Commented by odin2099 at 2006-08-15 21:59
>シュリマスター様

ご丁寧にありがとうございます。
またそちらにもお邪魔させて頂きますので
宜しくお願いします。
Commented by みゆみゆ at 2006-08-17 19:03 x
こんにちは。TBありがとうございました。
母がこの話が好きで、その影響か私も好きです。
Commented by odin2099 at 2006-08-17 21:17
>みゆみゆ様

コメント、ありがとうございました。
へぇー、お母様の影響でしたか。当時は熱中して観ておられたんでしょうかね。

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