『もののけ姫』
2020年 07月 06日
映画館で見るのはもちろん公開当時以来。
公開初日の朝っぱら劇場へ出かけたものの、開場前に大行列が出来ていたので断念。
その一週間後にリベンジで見た思い出がある。
あの頃は全席指定の入れ替え制なんてものは一般的じゃなく(指定席券は高かったし)、先売りなんてものもなかったので、良い席で見たいとなれば早朝から並ぶっきゃなかったワケで。
その前のアニメブーム勃興期は、前日から徹夜で並ぶのも当たり前なんて時代だったけど、流石にこの頃はもうそこまでのパワーはなかったものの、ちょうどこの作品の頃からスタジオジブリが一般作品として認知されてきてたので、客足は好調だった、というコト。
しかしこのお話って、結局のところアシタカがイケメンだから成り立ってるんだなあ。

サンだって、シシ神さまが生かそうとしたんだからとなんだかんだ理屈をつけたものの、アシタカを好ましく思ったからこそ剥き出しの敵意を封じて救ったのだ。
じゃなきゃいくら弱ってるからといって、口移しで食べ物を与えるような献身的な態度を取るものだろうか。
エボシだって、仲間を助けてもらったからという純粋な感謝の気持ちだけでアシタカを迎え入れたのかどうか。
その当のアシタカにはその自覚は全くない。天性のたらしだから始末に悪い。
故郷を後にする際に妹(兄様と呼んでるものの、どうやら事実上の許嫁のような存在らしい)から託された形見の品を、惜しげもなくサンに渡してしまうなんて、うっかりとかいうレベルではない。
映画のラストでアシタカは別れ際に「自分はタタラ場で暮らす」そして「時々会いに行く」とサンに告げるのだが、これはタタラ場の人たちが自分を快く受け入れてくれるということと、サンが自分を待ってくれていることという二つの条件が成立していることが前提なのだが、どちらか一つもしくは両方が成立しない可能性は考えもしていない。
当時から気になってたけれど、この作品の豪華な出演陣、”声の芝居”としては相当酷いなあ。
おまけにエフェクトかかってる場面も多く、台詞が碌に聞き取れないことも。
やはり餅は餅屋ということで。