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『アンドロメダ病原体/変異』 マイクル・クライトン/ダニエル・H・ウィルソン

マイクル・クライトンの「アンドロメダ病原体」の続編。
カバーにはデカデカと”マイクル・クライトン”の名前があるので、どの程度本人が噛んでいるのかと思ったが、実際は遺族公認の公式続編ということらしい。
生前のクライトンが遺したプロットに基づく、といったような注釈はなく、ストーリーそのものはダニエル・H・ウィルソンのオリジナルのようだ。

『アンドロメダ病原体/変異』 マイクル・クライトン/ダニエル・H・ウィルソン_e0033570_08503943.jpg前作同様に実際に起こった事件の報告書や各種データ、関係者等々へのインタビューからまとめたという体裁を取り、あれから50年経ち、再び活動を開始した<アンドロメダ病原体>に専門家チームが立ち向かう、という物語である。

今回の舞台となるのはアリゾナの小さな街ではなく、ブラジルの奥地であることや、<アンドロメダ>の急速な拡大と変異には人為的な要因が絡んでいることなどが前作とは大きく違う点で、後半では主舞台が国際宇宙ステーションへと移る。
主人公たちは宇宙エレベーターで、ステーションへと上がるのだ。

「アンドロメダ病原体」の続編ではあるものの、ジャングルを舞台にしていることや、コントロールを離れてテクノロジーが暴走する点は、他のクライトン作品でいえば「失われた黄金都市」「ジュラシック・パーク」を想起させる。単なる二番煎じや前作の引き写しではない工夫は施されているということだ。

『アンドロメダ病原体/変異』 マイクル・クライトン/ダニエル・H・ウィルソン_e0033570_08505324.jpgまた日本の科学モジュール<きぼう>が登場したり、小惑星探査機「はやぶさ」に知られざるミッションが課せられていたとする件は日本人読者ならそれぞれ思うところがあるだろう。

ただ悲しいかな、科学的知識の裏付けのない身としては、後半から終盤にかけての展開にはやや付いていけない部分もあった。
また<アンドロメダ>の存在が大きくなり過ぎ、宇宙から飛来した未知の病原体に留まらず、宇宙の何処かにいる知的生命体が送り込んできた人工物なのでは?という考察も同様で、大風呂敷を広げ過ぎたのではなかろうか、というのが正直な感想である。

by odin2099 | 2020-07-19 08:53 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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