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『銀河鉄道999/ガラスのクレア』

<東映まんがまつり>で上映された最後の松本零士原作作品。

この頃の東映作品は幼児・児童向けの<まんがまつり>枠と、『宇宙戦艦ヤマト』に始まるミドルティーン、ハイティーン対象のヤングアダルト枠とに二分化され始めた時期だったので、『宇宙海賊キャプテンハーロック』はまだ<まんがまつり>として公開されたが、『ハーロック』の後番組『サイボーグ009』や『銀河鉄道999』の後番組『新竹取物語1000年女王』の頃になると<まんがまつり>にはお呼びがかからなくなるのだが、この『999』はちょうど過渡期。
ヤングアダルト向けの長編作品公開後に、子供向けの<まんがまつり>にもラインナップされている。

『銀河鉄道999/ガラスのクレア』_e0033570_19070038.jpgお話はテレビでも放送された一挿話のリメイク。
劇場版の『999』とテレビ版の『999」は別スタッフによって作られたが、こちらはテレビ版のスタッフによって作られた劇場版ということでちょいとややこしいが、あくまでテレビ版ベースなので描き込みが凄いとか、カメラアングルに凝っているというようなこともなく、クオリティはテレビ並み。

ただ、クレアのヴォイスキャストがテレビ版の川島千代子ではなく劇場版の麻上洋子に変更されていることと、劇場版用に作られた「クレアのテーマ」がそのまま使われているのがスペシャル感を出している。

青木望はテレビ版と劇場版、どちらも音楽を担当してるが、劇場版は全て新曲でテレビ版からの流用はない。
この作品でもテレビ版のBGMが流れる中、一曲だけ「クレアのテーマ」がかかるので一層スペシャルな感じがするのだ。

もっとも麻上洋子のキャラクターへのアプローチは違い、劇場版のクレアとはまた違った新たなクレア像を築いている。
これは元々原作及びテレビ版のクレアと劇場版のクレアが別物だからではあるのだが、そのこだわりが嬉しい。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/2970429/
https://odin2099.exblog.jp/22779305/
https://odin2099.exblog.jp/27319988/


by odin2099 | 2020-07-30 19:05 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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