『甲子園/フィールド・オブ・ドリームス』(2020)
2020年 09月 17日
この大会に挑む二つの高校、神奈川県の横浜隼人高校と、岩手県の花巻東高校の春から夏へ密着取材。
元々は「高校野球という日本独自の文化を海外に紹介したい」という想いから日米の国際共同制作作品として作られた、NHKのドキュメンタリー番組を再構成したものらしい。
海外で評判を呼び、春も夏も甲子園が中止になってしまった2020年に、日本での凱旋公開と相成った。
この二人の指導者を対比させながら、横浜隼人ではキャプテンと、レギュラー入りボーダーラインにいる二人の三年生、そして花巻東では水谷監督の息子といった球児たちにもスポットを当てている。
昔ながらの伝統的な指導法と、新しい時代に即した柔軟な指導法、そして球児たちへの接し方などの苦悩や葛藤の中で迎えた夏の大会の地区予選。
カメラはその姿を淡々と描写するのみ。
せっかく球児にもスポットを当てたのだから、彼らの本音の言葉を今少し聞きたかったものだが、「ベースボール」ではない「野球」の、そして「甲子園」という存在の重みとその”魔力”が、少しでも海外の人たちに伝わっただろうか。