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『E.T.』

視聴者からのリクエストにより「金曜ロードSHOW!」での放送が実現。
ということで久々に地上波での『E.T.』を見ました。

放送時間枠は2時間弱。
本編時間も2時間弱なので、エンドロールを除いても20分くらいは切られてる計算になりますね。
お話はサクサク進みます。

『E.T.』_e0033570_6421474.jpg最初のうちは醜悪に見えるE.T.ですが、段々と可愛らしく見えてくるから不思議です。
そしてエリオットとE.T.が打ち解けるシーンに流れるジョン・ウィリアムズの甘いメロディー、これが効いています。

ヨーダ(の仮装をした人)に反応するE.T.の描写には、しっかりと「ヨーダのテーマ」を流してくれるのも流石ジョン・ウィリアムズ。
そう、このお話ってハロウィンの頃の出来事なんですよね。
となるとこのタイミングで放送してくれたのはタイムリーってことになりますな。

宇宙服?を着た人たちがエリオットの家に押し入ってくるシーンは、ちょっと『未知との遭遇』っぽいですが、セルフパロディでしょうか。
実は悪人ではなかった政府関係者たちですが、ちょっとミスリードを誘う演出になってます。

そのリーダー格の男(”キーズ”とされていますが、鍵束をいつもいじっているからでしょう)は、当初は悪役風に出てきますが、実は「子供の心を宿した大人」というスピルバーグの代弁者というか、理想の男性像。
基本的にこの物語の大人は、子供とは相容れない存在に描かれています。

その代表格がエリオットの母親。
エリオットとその兄妹はすぐE.T.と打ち解けますし、その友人たちも詳しい事情は知らされてないながらもすぐに状況を理解し協力しますが、母親は基本分からず屋。
つまりは”常識人”だということですし、離婚した直後で精神的に不安定だというエクスキューズも用意されていますが、見ているとちょっとイライラさせられます。
エリオットをE.T.の傍から引き離そうとする件まで、エリオットにとっては理想の母親ではありませんでした。

その母親が最後に、宇宙船で去ってゆくE.T.を見送るシーンで初めて笑顔を見せます。
この時ようやくエリオットと母親は分かり合える存在になる、感動的なシーンです。
さて、E.T.が去った後、この一家は幸せに暮らしたんでしょうか。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/27367293/




by odin2099 | 2020-10-05 20:13 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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