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『美しき獲物』(1992)

『美しき獲物』(1992)_e0033570_18540511.jpgチェスの世界選手権出場をかけた試合で最有力候補だったピーターは、一躍殺人の容疑者にされてしまう。彼と一夜を共にした女性従業員が、翌日死体で発見されたからだ。
警察署長のフランクと刑事のワグナーは執拗にピーターをマークするが、決め手となる証拠はない。
その一方でピーターの元には犯人からの挑戦的なメッセージが届くが彼の容疑は依然として晴れず、警察からの依頼でピーターの精神鑑定を行った心理学者のキャシーも確証は掴めなかった。
そんな彼らをあざ笑うかのように若い女性を狙った殺人事件は続き、ピーターの元にも連日メッセージが届けられるのだった。

クリストファー・ランバートとダイアン・レインが夫婦共演(当時)したサスペンス物で、これも「氷の微笑」フォロワーの一本と言ってもよいだろう。
いや犯人がサイコキラーな点では、同時期にやはりヒットしていた「羊たちの沈黙」からの影響も大きいか。
共演はトム・スケリットダニエル・ボールドウィン、脚本はブラッド・マーマン、監督はカール・シェンケル。

警察は終始ピーターを犯人扱いしているが、謎解きのためには彼の協力をあてにせざるを得ず、ピーターとしても、警察の協力して真犯人を見つける以外に無実を証明する手段がないので嫌々協力体制を取っている、というのが面白い。
ピーターとキャシーが出会ってから恋仲になるまでが早すぎる嫌いがあるものの、誰が犯人かは最後まで読めず楽しめる。

キャシーは序盤からピーターには好意的で、特に愛し合うようになってからは警察に対して彼を弁護する側に回ることも多いのだが、時折彼への疑念が頭をもたげ完全には彼を信じ切ることが出来ない、というのがサスペンスを盛り上げているが、これは演じるクリストファー・ランバートのハンサムながら狂気を秘めたように見える表情も一躍買っているのだろう。

ダイアン・レインは旦那とのベッドシーンでヌードを披露しているが、見えるのは上半身のみで「氷の微笑」のシャロン・ストーンや「BODY」のマドンナに比べると大人しめ。
一方のクリストファー・ランバートは序盤に奥さん以外とのベッドシーンもあるのだが、残念ながら彼女が第一の犠牲者になってしまう。
その後も殺されるのは若い美女ばかりだが、脱いでいるのは彼女だけだ。

今回は公開以来の再見(といってもロードショーでは見逃していて二番館での鑑賞だった)。
細部を覚えていなかったので犯人が誰だかわからず最後まで愉しめた。
もっとも冒頭部分で誰が犯人かは提示されてるとは言えるし、チェスに詳しい人なら早い段階で目星もつくらしいのだが。


by odin2099 | 2020-10-22 18:57 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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