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『第七の封印』(1957)

十年にも及ぶ十字軍の遠征から戻って来た騎士アントニウス。
その戦いに意義は見出せず、故郷への道すがら出会う人々はペストの恐怖に怯え、神に救いを求め、あるいは神を見捨てた人々だった。
その自分を死神が追ってきたことに気づいたアントニウスは、自分の命を賭けてチェスの勝負を挑む。
勝てば自分を開放しろと。
死神はそれを承諾し、旅の途中で夜ごとチェスの勝負を繰り広げる。
道中で様々な人と出会い、そのうちの何人かを道ずれにアントニウスはわが家へと帰還するのだが…。

『第七の封印』(1957)_e0033570_22044662.jpg脚本・監督はイングマール・ベルイマン
出演はマックス・フォン・シドー、インガ・ラングドレ、グンナール・ビョーンストランド、ニルス・ポッペ、ビビ・アンデショーン、ベングト・エケロート、オーケ・フリデル、インガ・ジル、モード・ハンソン、グンネル・リンドブロム、ベティル・アンデルベルイ。

四半世紀ほど前に見た時のメモを読むと、この作品に先立って見たロジャー・コーマン監督作品「赤死病の仮面」との類似点が気になりはしたものの、これでもまだ宗教臭さが足りないことを不満点として挙げているくらい甚く感動していたようで、それ以来マイベストムービーを選ぶ際には欠かさず加えていたのだが、改めて見ると「こんなものだったかな」という軽い失望感が。

当時と今とでは自分が精神的に求めているものが違ってしまったのかなとも思うが、それだけより多くのものを見、そして影響を受けてきたということなのかもしれない。
死神と対峙した騎士のピンと張り詰めたような緊迫感が全編を覆っているような印象を持っていたのだが、実際には悲喜劇ともいうべきシーンも多々あり、記憶にある以上に世俗的に感じられた。

そうはいうものの、装飾を一切廃した、能面にも通ずるような死神のビジュアルインパクトは今なお健在。
自分にとって生涯忘れえぬ一本であることは(少なくとも当面のうちは)間違いないだろう。


by odin2099 | 2020-10-28 22:06 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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