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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇』(1992)

天地黎明」「天地大乱」に続き、黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)を主人公とした<ワンチャイ>シリーズ3作目。
製作・脚本・監督はツイ・ハーク
出演はジェット・リー、ロザムンド・クワン、マックス・モク、ホン・ヤンヤン、ラウ・シュンら。

富国強兵の一環として最強の獅子を決める大会を提唱する総督・李鴻章。
これを受けて西太后は盛大な獅王争覇戦の開催を宣言する。
王者になるべく各武術道場は争いをはじめ、黄飛鴻もこの騒動に巻き込まれていく。
一方総督暗殺を目論むロシア外交官たちは、この大会を利用することを思いつく。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇』(1992)_e0033570_22574002.jpg――という表のプロットはあるものの、<ワンチャイ>的にはいよいよフェイフォンと叔母のイーサン(十三姨)が結婚を決意するというのがメイン。
今回フェイフォンは実家の最新式製薬工場の見学と、イーサンとの結婚の許しを得るために北京の父の元を訪れ、事件に遭遇するのだ。

まずイーの留学中の友人であるロシア人外交官を登場させ、三角関係のラブコメ的要素を追加。
これによって二人の仲は一気に加速する。
このロシア人はもちろん単なる恋敵ではなく、総督暗殺の陰謀劇に大きく関わる存在だ。

そして父である黄麒英の登場。
さんざん気を持たせた息子の結婚相手が誰かを知り、義理の妹が嫁になり、息子が義理の弟になって…と混乱する姿が可笑しい。

アクション面でも新機軸を導入、強烈な足技を使う鬼脚七というキャラクターが登場する。
正に超人的な動きを見せフェイフォン親子を窮地に追い込むものの、武器である足を怪我して厄介払いされたところをフェイフォンに救われ、フェイフォンの頼りになる仲間になるという展開も熱い。

そして勇壮絢爛な獅子舞対決。
史実でもフェイフォンは獅子舞の名手なのだそうだが、これまでのシリーズとはちょっと違った見せ場だ。
ただ獅子同士が激しくぶつかり合い、また勝者の証である金札を取り合う団体戦の中ではフェイフォンや鬼脚七の個人技がやや埋没してしまっている感があるのは残念。

シリーズ三作中ではあまり評判が良いとはいえないが、キャラクターがのびのびとしていてギャグとシリアスのバランスも良好
。個人的には一番気張らずに愉しめた。
久しぶりに見直しても、ロザムンド・クワンの可愛らしさは不変。

ただツイ・ハークとのゴタゴタから、リー・リンチェイ(ジェット・リー)はこの作品を最後に降板してしまう(のちに復帰はするが)。


Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2020-11-05 09:08
タイトル : 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』三本をシネ..
ワンチャイシリーズがデジタルとはいえ、 劇場で3本続けて観れる日が来ようとは。 ◆『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』 五つ星評価で【☆☆☆☆☆1本目はしっかりしてる】 未見の一作目。 なかなかどうしてやっぱり続編が作られるだけあって普通に面白いし、 それどころか傑作『天地大乱』にも引けを取らない。いい出来じゃないか。 ビデオスルーは本当に勿体ないが、傑作『天地大乱』...... more
Commented by ふじき78 at 2020-11-05 09:06 x
10年前に見たんだけど、本気で獅子舞出てきたなあくらいしか覚えてない。
Commented by odin2099 at 2020-11-05 20:18
> ふじき78さん

あの獅子舞大会のルールがイマイチわかんないんだよなあ。
by odin2099 | 2020-11-04 23:02 |  映画感想<ワ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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