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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

2020年、映画館で最初に見た作品はこれでした。
元日に見に行ったので、大晦日のコンサートかどっちかでインフルエンザを貰ってきたことになります……

ようやく<スカイウォーカー・サーガ>、見終わりました(映画館へは結局5回見に行きました)。

ファントム・メナス」に始まり、「クローンの攻撃」「シスの復讐」「新たなる希望」「帝国の逆襲」「ジェダイの帰還」「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」と来て、最後は「スカイウォーカーの夜明け」、全九部作の終幕となります。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』_e0033570_19145018.jpg「最後のジェダイ」でレイの出自は特別なものではなく、またごく普通な少年も操ることが出来ることが示されるなどフォースは普遍的なものだということが描かれていましたが、結局レイをパルパティーンの孫とすることで、特別な力は特別な家系に由来することになってしまいました。
これって前作の否定ですよね。

これに代表されるようにこのシークエル・トリロジーは、行き当たりばったりで統一感がないことが一番残念に思います。
三部作として作ることは決まっていたのですから、何故最初からしっかりとしたプロットを作っておかなかったのでしょう?

勿論製作の過程で初期のプロットに手を加えたり、あるいは丸ごと捨てられることもあるでしょうし、今回は三作全部別の監督を立てる予定だったので、その各監督の自由裁量の部分を残しておきたかったのだろうこともわかりますが、最低限のアウトラインは設定しておかなければ後から参加する者は混乱するだけではないでしょうか。

穿った見方をするならば「スター・ウォーズ」の新作を作ることが至上命題で、プロットは二の次。
とりあえず発端部分だけは何とかこしらえてみたものの、どういう方向性が望ましいのか製作陣の間で結論が出ず、もしくは妙案が思い浮かばず、結末をどんどん先送りしていったのではないか、そのしわ寄せが来たのではないか、そんな気もします。

生死不明のチューバッカとか、C-3POのメモリー消去とか、無駄なサブプロットに時間を費やす暇があったら、もっと本筋をしっかり固めるべきでした。
レイとフィン、ポー・ダメロンの関係性とか、カイロ・レン(=ベン・ソロ)の変心の過程とか、掘り下げるべき部分は多々あったはずです。

ひとまずの”完結編”ということで色々とまとめに入ってはいるのですが、ぶっちゃけ納得いく作品だったのかと問われれば「Nooooooo――!!」でしょうね。

新型コロナウィルスの影響もあって次の劇場版のスケジュールはなかなかハッキリしませんが、Disney+の配信ドラマとしてスピンオフの「マンダロリアン」がなかなか好評のようですし、続いてキャシアン・アンドーを主人公にした「ローグ・ワン」の前日譚や、待望のオビ=ワン・ケノービを主人公にした作品も準備中ということで、まだまだ「スター・ウォーズ」世界は拡張中。
将来的にはこのシークエル・トリロジーを補完するスピンオフを作り、是非とも納得いくものにして欲しいと願っています。
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』_e0033570_19132941.png
【ひとこと】
レイとベンのキスシーン、色々と物議を醸してますが、恋愛感情によるものではなく、親愛の情の表現だということだそうですが、なんだか残り僅かなベンの生命エネルギーをレイが吸い取ってるように見えちゃうんですけどね。

<過去記事>



「マンダロリアン」

by odin2099 | 2020-11-07 19:22 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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