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『マザーズボーイ/危険な再会』(1994)

『マザーズボーイ/危険な再会』(1994)_e0033570_19470092.jpg3年前、夫ロバートとケス、マイケル、ベンの3人の子供を残して家を出て行ったジュードが帰ってきた。
もう一度やり直したいというジュードだったが、ロバートにはキャリーという新しい恋人がおり、子供たちもキャリーに懐きはじめていた。
ジュードは家族を取り戻す障害はキャリーだと考え、彼女に対し直接、間接問わず嫌がらせを行う。
またロバートにも色仕掛けで迫るが、それを拒否されると今度は子供たちをターゲットに変え、言葉巧みに操ろうとする。
だがジュードの母リディアだけは、ジュードの本心を見抜いていた。

原作はバーナード・テイラーのベストセラー小説とのこと。
それをジェイミー・リー・カーティス、ピーター・ギャラガー、ジョアンヌ・ウォーリー=キルマー、バネッサ・レッドグレーブ、ルーク・エドワーズらを起用して映画化。
映画公開時のコピーは「パパの恋人を殺して、ママのベッドへいらっしゃい。」で、監督はイブ・シモノー。

ジュードは最初は直接ロバートに訴えるが、それが聞き入れられないとなるとキャリーを強制的に排除しようとし、ストーカー紛いの行為を行い、弁護士やキャリーの同僚までも味方に付けようと画策。
そして子供たちの中でも思春期の長男ケスを誘惑して自分の手先と化し、自分の目的にとって邪魔だとわかれば実の母親までも手にかけようとする。
最後は事故に見せかけてキャリーを殺そうとし…とおっかないことこの上ない。

おまけにジュードが家を出て行った原因は一切明らかにされない。
しかも長男ケスが生まれた直後にも一度家出し、戻って来た彼女をロバートは許したのだが、末っ子のベンが生まれた直後に再び家出したため、離婚を決意しているという設定。
これで何故ケスがジュードに靡くのかにはやや疑問が残る。

ベンはジュードの記憶が殆どないので執着心はあまりないようだし、マイケルはややどっち付かず。
ケスだけは当初からジュードに対する反発心を前面に押し出しているのだが、裏を返せばそれだけジュードへの執着が強い証拠。
そこを上手く利用されたということなのだろうが。

以前見た時は母子相姦めいたシチュエーションにかなり衝撃を受けたものだが、見直してみるとそれほどどぎつくも強烈でもなかった。
ただ息子の前で全裸になる母親というのは、別の意味で怖い。
ラストは一応のハッピーエンドなのだが、これでこの一家に平穏が訪れるのかと言えば、かなり微妙だろうなとは思う。

【ひとりごと】
ジェイミー・リー・カーティスは見事なプロポーションを披露しているが、ヌードシーンは僅かで殆ど見えないので、そこに期待している人には物足りないかも。
また母親役はバネッサ・レッドグレーブだが、なんとなく面差しが似ているので説得力は十分にある。


by odin2099 | 2020-11-09 19:49 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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