『スフィンクス』(1981)
2020年 11月 22日
そんな彼女を政府の古美術管理局長アーメッドが呼びつけ、彼女の目的やイボンとの関係を問い質すのだった。
アーメッドは密かにエリカに部下を付けるが、エリカを狙う謎の襲撃者によって彼は命を落としてしまう。
一体誰が何のために彼女を狙うのか、そして彼女は何を掴んでいるのだろうか。
医療系サスペンスで知られるロビン・クックが、珍しくエジプト学に材を採ったベストセラー小説の映画化で、主演はレスリー=アン・ダウンとフランク・ランジェラ。
他にモーリス・ロネ、ジョン・ギールグッド、マーティン・ベンソン、ジョン・リス=デイヴィスらが出演。
製作総指揮と監督はフランクリン・J・シャフナー。
えー、お話の中心が何なのか、さっぱりわかりませんでした。
何が問題になっていて、彼女が何を探していて、そしてなんで彼女が狙われているのか。
どうもメネフタの考案した墓の盗掘を防ぐ方法とやらを、エリカが解き明かしていくというのが主眼らしいのですが、だから何?という感じになってしまいます。
確かにその結果として手付かずの財宝が見つかれば、それは世紀の大発見!考古学上においても貴重な資料となるのはわかるのですが、そこに至る必然性というか、敵味方双方の強い欲求というものが感じられません。
またヒロインの周囲には胡散臭い、怪しげな連中しか出てこないのですが、彼女は簡単に信じたり、逆に疑ったり、それでピンチになるとワーワーキャーキャーうるさいだけ。
学者らしい雰囲気は微塵も感じさせません。
彼女のお相手役はフランク・ランジェラですが、若い時のランジェラってハンサムで格好良いですねえ。
丁度舞台の「ドラキュラ」で、女性客をキャーキャー言わせていた頃でしたっけ。
今の役者さんだと、ちょっとアダム・ドライバーみたいな感じです。
で、最初は如何にも悪そうな雰囲気で出てくるのですが、徐々に彼女にとっての頼れる協力者ポジションに収まり、中盤以降は一気にラブラブムード。
まあ最後には色々あるのですが、こうまで単純だとエリカが本当に頭が悪そうに見えてしまいます。
殺人事件が起きてるし、自らも危険な目に遭っているのに、呑気にエジプト観光してる場合なのかなあ。
三十数年前に一度テレビで放送していたのを見て以来でしたが、やっぱり面白くありませんでした。
もっともその時に覚えていたのは、エリカが取り調べを受ける際に強姦されかかるシーンがあったなあ、ということだけだったんですがね。
しかも記憶が美化されていたのか、大したことありませんでした。
もうちょいサービスしてくれても…。