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『スフィンクス』(1981)

『スフィンクス』(1981)_e0033570_21303523.jpg考古学者のエリカは、セティ1世の墓の主任建築技師だったメネフタの研究のためカイロを訪れる。
彼女は古美術商ハムディの店でメネフタの名が刻印されたセティ1世の黄金像を見せられるのだが、その直後にハムディは殺され、彼女の身も危険にさらされる。
その窮地を救ったのはジャーナリストだというイボンで、彼はエリカに助力を申し出る。
そんな彼女を政府の古美術管理局長アーメッドが呼びつけ、彼女の目的やイボンとの関係を問い質すのだった。
アーメッドは密かにエリカに部下を付けるが、エリカを狙う謎の襲撃者によって彼は命を落としてしまう。
一体誰が何のために彼女を狙うのか、そして彼女は何を掴んでいるのだろうか。

医療系サスペンスで知られるロビン・クックが、珍しくエジプト学に材を採ったベストセラー小説の映画化で、主演はレスリー=アン・ダウンとフランク・ランジェラ。
他にモーリス・ロネ、ジョン・ギールグッド、マーティン・ベンソン、ジョン・リス=デイヴィスらが出演。
製作総指揮と監督はフランクリン・J・シャフナー

えー、お話の中心が何なのか、さっぱりわかりませんでした。
何が問題になっていて、彼女が何を探していて、そしてなんで彼女が狙われているのか。
どうもメネフタの考案した墓の盗掘を防ぐ方法とやらを、エリカが解き明かしていくというのが主眼らしいのですが、だから何?という感じになってしまいます。

確かにその結果として手付かずの財宝が見つかれば、それは世紀の大発見!考古学上においても貴重な資料となるのはわかるのですが、そこに至る必然性というか、敵味方双方の強い欲求というものが感じられません。

またヒロインの周囲には胡散臭い、怪しげな連中しか出てこないのですが、彼女は簡単に信じたり、逆に疑ったり、それでピンチになるとワーワーキャーキャーうるさいだけ。
学者らしい雰囲気は微塵も感じさせません。

彼女のお相手役はフランク・ランジェラですが、若い時のランジェラってハンサムで格好良いですねえ。
丁度舞台の「ドラキュラ」で、女性客をキャーキャー言わせていた頃でしたっけ。
今の役者さんだと、ちょっとアダム・ドライバーみたいな感じです。

で、最初は如何にも悪そうな雰囲気で出てくるのですが、徐々に彼女にとっての頼れる協力者ポジションに収まり、中盤以降は一気にラブラブムード。
まあ最後には色々あるのですが、こうまで単純だとエリカが本当に頭が悪そうに見えてしまいます。
殺人事件が起きてるし、自らも危険な目に遭っているのに、呑気にエジプト観光してる場合なのかなあ。

三十数年前に一度テレビで放送していたのを見て以来でしたが、やっぱり面白くありませんでした。
もっともその時に覚えていたのは、エリカが取り調べを受ける際に強姦されかかるシーンがあったなあ、ということだけだったんですがね。
しかも記憶が美化されていたのか、大したことありませんでした。
もうちょいサービスしてくれても…。


by odin2099 | 2020-11-22 21:32 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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