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『大列車強盗』(1979)

『大列車強盗』(1979)_e0033570_18370007.jpgヴィクトリア朝時代、クリミア半島でロシアと交戦中だった英国は、資金を列車で輸送していた。
そこに目を付けたピアースは、スリのエイガーや元女優で愛人のミリアムと組んで金塊強奪を企む。
金庫には4つの鍵がかけられ、一つは銀行の頭取、もう一つは銀行の支配人、そして残りは鉄道会社という具合にバラバラに保管されている。
ピアースは頭取の若い後妻と娘、ミリアムは支配人にそれぞれ近づき、色仕掛けで鍵の複製を作るのに成功。
残る二つも忍び込みのプロを脱獄させ、エイガーと組んで盗み出しに成功する。
更に鉄道会社の警備員をも買収して準備は万端かと思われたが、裏切者が出たりで警戒は更に厳重になる。
はたしてピアースたちは金塊を盗み出すことが出来るのか?

原作はマイクル・クライトンの小説で、実際に起きた金塊強奪事件を元にしているが、どこまでが事実でどこからフィクションなのかが明らかにされていないのがクライトンらしい。
出演はショーン・コネリー、ドナルド・サザーランド、レスリー=アン・ダウン
クライトン自身が脚本を書き、監督も務めていて、後にクライトンはコネリーを念頭に置いて「ライジング・サン」を執筆、コネリー主演で映画化された。

2時間弱の映画だが、鍵の複製が揃うまでで半分以上費やしている。
そして列車の旅が始まるころには残り時間は約20分。
綿密に準備をしている過程が描かれているというより、前半はモタモタしているという印象が強い。

後半になると鈍重そうなコネリーが自ら危険なスタントに挑んでいるが、思いのほか緊迫感が伝わってこず、事件はやや唐突に終息を迎えてしまう。

コメディ映画と呼ぶには些か残酷なシーンもあるし、サスペンスも盛り上がらず、どうにも間の抜けた作品に。
この映画を見るのは二度目なのだが、やはり前回同様「もっと面白くなりそうなのに」という感想に尽きる。


by odin2099 | 2020-11-24 18:39 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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