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『孔雀王/アシュラ伝説』(1990)

人間界に災いをもたらす存在だと判断された少女・アシュラは、再び封印されようとしていたが彼女は必死に抵抗する。
アシュラの純粋さを信じる孔雀とコンチェも懇願し、七日間だけ人間界で過ごすことを許される。
人間として束の間の幸福を味わっていたアシュラだったが、魔族の女王鬼妃は彼女の力を利用すべく刺客を送り込んでいた。

『孔雀王』の続編だが、孔雀役は三上博史から阿部寛に、慈空役は緒方拳から勝新太郎に交代。
新たに天輪尼として名取裕子、アシュラのボディーガード三輪尼(輪光尼・輪月尼・輪星尼)として橘ゆかり、早瀬恵子(成嶋涼)、荒井乃梨子の3人、アシュラが知り合う発明家の兄・且としてラウ・セイン、妹・珍としてロレッタ・リー、そして鬼妃役でナイ・シュが参加。
コンチェ役のユン・ピョウは続投だが、前半でいったん退場し、後はラストバトルまで出てこない。

『孔雀王/アシュラ伝説』(1990)_e0033570_20174202.jpg三上博史と阿部寛ではタイプがまるで違うので、同一人物という設定には無理があるし、身長が高いためユン・ピョウと並んだ時のバランスも悪い。
二人が同一画面に映るシーンが少ないのはそのせいかも。
ただ殆ど動けなかった三上博史に対し、阿部寛は自らスタントをこなして現地のスタッフに称賛されたとかなんとか、当時の記事で読んだことがある。
胡散臭い三上孔雀と、爽やか好青年の阿部孔雀、どっちが良いかといえば…。

また慈空阿闍梨も交代しているが、何故に勝新太郎が出演をOKしたのかは不明。
もっとも公開直前に麻薬所持で逮捕されたため、映画の公開が危ぶまれたというオチが付く。
その為に当時の宣材では勝新太郎の名前は削除されるか、小さく表示されていたという記憶がある。

斯様に主役が交代したからではないのだろうが、今回は前作でブレイクしたアシュラ役のグロリア・イップが実質的な主役のアイドル映画。
魔界の女王から付け狙われていたり、やがて暗闇の中に封印されるという哀しい運命が待ち受けていたり、太陽の光の下では七日間しか生きられないといった悲劇のヒロイン属性を沢山背負いながらも、呑気に観光旅行を続けたり、グレムリンみたいな妙ちくりんなクリーチャーと戯れるといったほのぼのムードのシーンも多い。
映画のオープニングとエンディングにも、彼女の歌が流れるくらいだ。

また当時”香港の薬師丸ひろ子”などというとんでもない紹介のされ方をしていた、元祖アイドルのロレッタ・リーや、三輪尼と一緒に水着を披露するなど無意味なサービスシーンもあり、肝心の「この世の危機」とか、魔族とのバトルといった要素は控えめなので、原作ファンや前作を気に入った人には物足りないだろう。

前作でグロリアにドハマりしたので、本作は公開初日に気合を入れて見に行ったのだけれども、前作ほどノレなかったなあというのが当時の素直な感想。
ただグロリアのアイドル映画としては良く出来ているし、鬼妃も含めて美女揃いでセクシーショットもあるので嫌いになれない、というのは改めて見ても変わらなかった。

ちなみに香港で公開されたヴァージョンでは主役が孔雀じゃなくコンチェになっている、というので気になっていたのだが、後にビデオリリースされた<香港公開版>は日本版より短いのと音楽が違う程度。
孔雀とコンチェ(吉祥果)の役名が入れ替わっているだけで、阿部寛の代わりにユン・ピョウ大活躍!
…というわけではなかった。

【ひとこと】
前作同様本作も、当時の吹替搭載でDVD出してくれないかなあ。
グロリアの声が日高のり子で、これがピッタリはまっている。


by odin2099 | 2020-11-25 20:21 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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