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『月光仮面/悪魔の最後』(1959)

月光仮面』、『月光仮面/絶海の死斗』、『月光仮面/魔人の爪』、『月光仮面/怪獣コング』、『月光仮面/幽霊党の逆襲』に続く東映劇場版『月光仮面』シリーズの6作目。

『月光仮面/悪魔の最後』(1959)_e0033570_14065746.jpg岡本という実業家が殺され、その背中には「白髪鬼」と書かれていた。
手掛かりを探す警察の捜査線上に、その戦友だったという東條という男の名が浮上するが、その東條は祝探偵事務所に保護を求めてきていたが、祝十郎が目を離した隙に白髪鬼によって殺されてしまう。
調査に乗り出した祝は、死んだ筈の毒物学の権威である白神博士と遭遇する。白髪鬼の正体は白神だったのだ。
戦時中に無人島に漂着した白神らは砂金を発見するのだが、欲に目の眩んだ岡本、東條、西川に襲われた。白神は復讐のため白髪鬼として舞い戻ってきたのだ。
白神が西川と接触しようとしているのを察知した祝らは、その現場を押さえようと駆けつけるのだったが…。

ストーリーはテレビ版の第5部「その復讐に手を出すな」編がベースで、これまでの作品同様に60分程度にまとめられている。
白髪鬼は連続殺人犯ではあるもののその目的は復讐にあり、それとは別に真の悪役がいる、という二重構造なのが今回の特徴。
いわば三つ巴の抗争劇となっているため、ヒーローとしての月光仮面の活躍場面はやや少なめだ。

そうはいっても、クライマックスでは正に絶体絶命の窮地に立たされる月光仮面が、次のラストバトルの場面には何の説明もなく登場するのは説明不足という言葉では足りない。
どうやって危機を脱するのか、それを描くこともヒーロー物の醍醐味だと思うのだが。

ともあれ約一年間に亘り、全部で6本作られた劇場版『月光仮面』もこれにて完結。
物語上はこれでオシマイという終わり方ではないものの、テレビ版も第5部で終了しているので、締めを意識したかのような台詞が最後に用意されている。

【ひとりごと】
いつも以上に五郎八の出番が増えているが、こういう足手まといなキャラが画面に出てくるだけでイライラする。
こういうのが子供に受けるキャラだと思って作ったのか、実際に人気があったのかはわからないけれど…。


by odin2099 | 2020-11-28 14:08 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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