『七人の侍』(1954)
2020年 11月 29日
農民たちは野党と化した野武士たちの襲撃に怯えていた。
そこで村を守るために武士を雇い、野武士たちに対抗しようとするのだが――。
世界中に知られ、影響を受けた作品は数知れない黒澤明監督の名作を久々に鑑賞。
出演は三船敏郎、志村喬、津島恵子、木村功、加東大介、宮口精二、稲葉義男、千秋実、土屋嘉男、藤原釜足、左卜全ら。
昔のメモから二題――
傑作、傑作というからどんなに凄いのかと思ったが、長すぎる。
それだけの時間をかけながら七人のキャラクターを描き分けてるとは言い難いし、結局なんだったのだろうか。
途中休憩を挿んで3時間半近くは確かに長い。
それでもだれずに見てしまった。やはり劇場の魔力だ。
あの暗がり、強制的に見せられているという感じが良いのだろう。
そして何よりもスクリーンの大きさ。
この三つがそろった時、自分は別世界へ旅立つのだ。
改めてそれを感じた。もう後には戻れない。
この作品はやはり傑作だ。

二つめのメモはそれから二年近く経ち、復元されたノーカット完全版が大々的に公開され、それを見に行った際のもの。
平日に休みを取って映画館へ足を運んだのだが、殆ど満席だったことも記されていた。
そして今回、それから約30年ぶりに見直したのだが、最初のうちは長いなあと感じながら見ていたのだが、休憩後の後編にあたる部分は正にあっという間だった。
世間で言われているほど無駄のない映画だとは思わないし、切り詰めればこのストーリー、2時間ぐらいにまでは絞り込めるだろうからそういう編集で見てみたくもあるのだが(実際に短縮版は何ヴァージョンか作られているようだ)、それだと物足りなく感じるだろうか。
【ひとこと】
この映画の最大の難点は台詞が聞き取りづらいこと。
日本語字幕が欲しいなと時折感じた。