『エクソシスト』(1973)
2020年 12月 02日

リーガンに異変が起き、最初は病気だと片づけられ、次に精神障害を疑われ、ようやく悪魔祓いが登場するという展開だと覚えていたのだけれども、改めて見直してみると精神異常を疑われる段階はほぼすっ飛ばされ、比較的早い段階でカラス神父が関わりを持っていたことが意外だった。
それまで散々病院や医者への不信感を植え付ける描写が繰り返されるとはいえ、藁にもすがる思いだったのだろうがクリスが偏見を持たずに神父のところへ行き、悪魔祓いを願い出るというのもこの手の作品の定石からは外れている。
何をやっても駄目で、それで改めて神父を頼るというのがよくあるパターンだし、またこういった胡散臭い儀式を持ち出すのは神父側で、一度はけんもほろろに拒絶されるというのがお約束。
また悪魔がどーの、ということではなく、一連の事件に現実的なアプローチをする役どころがキンダーマン警部なのかとも思っていたのだけれども、結局は傍観者のままで終わってしまっていた。
狂言回しにすらなれないというのも色々な意味で面白い。
リーガンに取り付くのはパズス神。
一度は”神”を捨てたカラス神父が再び”神”を見出すというストーリーから、見る前はてっきりサタンでも出てくるのかと思っていたのだが、アメリカではパズスはポピュラーな存在なのだろうか。
【ひとこと】
「チューブラー・ベルズ」は元々この映画とは無関係に作られた曲なんだそうだが、もはやこのメロディ抜きの「エクソシスト」は想像できない。