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『エクソシスト』(1973)

少女に取り付いた悪魔と、二人の神父との戦いを描いたホラー映画の金字塔。

『エクソシスト』(1973)_e0033570_18400253.jpg悪魔に取り付かれた少女リーガンを演じたのはリンダ・ブレア、その母で女優のクリスはエレン・バースティン、信仰を捨てたカラス神父にジェーソン・ミラー、悪魔祓いの儀式を執り行うメリン神父にマックス・フォン・シドー、怪異な事件の捜査を担当するキンダーマン警部にリー・J・コッブ。
原作・脚本・製作はウィリアム・ピーター・ブラッティ、監督はウィリアム・フリードキン。

リーガンに異変が起き、最初は病気だと片づけられ、次に精神障害を疑われ、ようやく悪魔祓いが登場するという展開だと覚えていたのだけれども、改めて見直してみると精神異常を疑われる段階はほぼすっ飛ばされ、比較的早い段階でカラス神父が関わりを持っていたことが意外だった。

それまで散々病院や医者への不信感を植え付ける描写が繰り返されるとはいえ、藁にもすがる思いだったのだろうがクリスが偏見を持たずに神父のところへ行き、悪魔祓いを願い出るというのもこの手の作品の定石からは外れている。

何をやっても駄目で、それで改めて神父を頼るというのがよくあるパターンだし、またこういった胡散臭い儀式を持ち出すのは神父側で、一度はけんもほろろに拒絶されるというのがお約束。
ところが頼まれたカラス神父が、一度はそれを断るというのもパターン破りと言えよう。
そのあたりが他作品と比べて斬新に感じられる部分かもしれない。

また悪魔がどーの、ということではなく、一連の事件に現実的なアプローチをする役どころがキンダーマン警部なのかとも思っていたのだけれども、結局は傍観者のままで終わってしまっていた。
狂言回しにすらなれないというのも色々な意味で面白い。

リーガンに取り付くのはパズス神。
一度は”神”を捨てたカラス神父が再び”神”を見出すというストーリーから、見る前はてっきりサタンでも出てくるのかと思っていたのだが、アメリカではパズスはポピュラーな存在なのだろうか。

【ひとこと】
チューブラー・ベルズ」は元々この映画とは無関係に作られた曲なんだそうだが、もはやこのメロディ抜きの「エクソシスト」は想像できない。


by odin2099 | 2020-12-02 18:41 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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