『荒野の七人』(1960)
2020年 12月 06日
以前は『荒野の七人』→『七人の侍』の順番で見ていますが、今回は逆になりました。
ならず者に蹂躙され困り果てた農民が、僅かながらの報酬で七人の助っ人を雇うという骨格はそのままに、舞台を日本の戦国時代から西部開拓時代のメキシコへ移した物語で、きちんと東宝の許可を得て作られたリメイク作品ですが、実は黒澤監督以下のスタッフには話が通ってなかったとかなんとか。
時代劇を単純に西部劇に置き換えただけではなく、キャラクターには色々と手を加えられています。
元ネタがハッキリわかる場面も多くある一方で、複数の人物設定を一人に集約させたり、逆に一人の人物の属性を何人かに振り分けたり、またオリジナル版『七人の侍』にはない要素を付け加えたりと製作陣の苦心の跡が窺えます。
また刀と銃の違いもあるのか村を要塞化して迎え撃つというシチュエーションはなく、正面からの撃ち合いに終始してしまっているのでリーダーの策士ぶりはあまり発揮されませんし、彼我の戦力比も分かりづらいのですが、オリジナル版と違い村人の裏切りに遭ってガンマンたちが一敗地に見えるという展開が用意されているのも、何とか新鮮味を出そうという工夫の表れなのでしょう。