『忠臣蔵/櫻花の巻・菊花の巻』(1959)
2020年 12月 10日
という訳で主演:片岡千恵蔵、監督:松田定次の作品を鑑賞。
千坂兵部は山村聡。
北大路欣也は右太衛門ではなく、千恵蔵の息子役(大石主税)だ。
前半は内匠頭が勅使饗応役に選ばれるも、度重なる上野介の振る舞いに堪忍袋の緒が切れ刃傷に及び、切腹。
急を知らされた赤穂の国元の一騒動と、城明け渡しまで。
畳替えのエピソードはあるが、市井の人々の動きは殆ど描かれない。
後編は内蔵助の京都での放蕩三昧の場面から始まる。
敵を欺くには先ず味方から。血盟の同志たちは一度は疑うものの、説明されるとすぐに納得して指示に従う。
討ち入りまでには多くの同志が脱落していくが、彼らの普段の生活や苦悩が描かれることはなく、ただ誰某が逃亡したというような形で名前が出てくるだけである。
そしていよいよ討ち入り。
吉良邸に乗り込む場面そのものは割とあっさりと描かれるが、ここで美空ひばり扮する女中が奮闘。
かねてより吉良邸に潜入して屋敷の見取り図などを用意するなどしていたが、討ち入りが始まると燭台に火を灯し上野介の寝所へ案内するなどMVP級の活躍だ。
そして凱旋の場面で映画は幕を下ろす。
チョイ役にもスター級の俳優が当てられてはいるものの、その殆どは顔見せに終始していて深く掘り下げられることはない。
カメラは常に内蔵助基本。