『アーヤと魔女』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
2020年 12月 31日

引き取られ、そこで魔法を教えてもらえると喜んだアーヤだったが、毎日こき使われてばかり。
そこで魔女の飼い猫トーマスの手助けで、魔女に呪文をかけることにする。
これがダイナア・ウィン・ジョーンズの遺作なのだそう。
『ハウルの動く城』をアニメ化したスタジオジブリが、今度はこの作品をアニメ化するというのでとりあえず購入。
120ページほどの小品なので、30分ほどであっという間に読み終えてしまって些か拍子抜け。
鼻っ柱が強い女の子が主人公で、魔女と暮らす不気味で不思議な謎の男マンドレークがいて、使い魔として黒猫が飼われていて、そして魔女ベラ・ヤーガの家は外観と中身が大違いで…と上げていくと、なるほど”彼の御仁”が好きそうな要素がいっぱい。
ところがお話はなんだか中途半端。
アーヤが魔女をぎゃふんと言わせ(死語か?)、優位に立ったところでメデタシメデタシで終わってしまうのだけれども、ベラ・ヤーガがこのままアーヤにやり込められっぱなしではない気がするし、それよりも何よりもアーヤの出生の秘密が全く明らかにされていないまんま。
アーヤは、仲間の魔女に追われているという書き置きを残し孤児院の前に捨てられていたのだから、アーヤの母は魔女で、アーヤ自身も魔女の可能性があるのに、そのことには全く触れられていないからだ。
最初のうちはベラ・ヤーガとアーヤの母親との間に因縁があるのかと思っていたのだけれども、そんなこともなし。
本来はシリーズ化を予定していた、その一作目だったんじゃないのかなあ。
さてこの作品を、原作クラッシャーのジブリはどう映像化したのか。
恐ろしくもあり、愉しみでもあり…。