2020年マイベスト
2020年 12月 31日
去年は何と言っても劇場での鑑賞本数が過去最多になったのですが、一転して今年はワースト記録ではありませんが大幅にダウン。
不思議なもので一度映画館から足が遠のくと、出かけるのが億劫になるんですね。
去年ならかなり遠い映画館へもハシゴを厭わず出かけたものですが。
そんな中から公開順に5本選んでみました。
他人とはかなり違うセレクトになっているんじゃないかなあと思います。
今年のベストにこの5本を並べてる人、他にいるかなあ。
これまでも大統領を中心にした恋愛モノは幾つかありましたが、”女性大統領”がメインとなると他にはないかもしれません。
ラブコメディですが、ポリティカルフィクションの旨味もあり、これは現職の大統領に対する痛烈な嫌味なんですかね。
今は絵空事ですが、数年後にはこのようなことが当たり前に受け入れられる世界になって欲しいものです。
『なぜ君は総理大臣になれないのか』
この映画の公開と前後して、一気に知名度が上がったように感じる現職議員さんに密着したドキュメント。
実際にこの議員が総理大臣として相応しいかどうかは別として、このように真っすぐな人がいるという事実が、まだまだ日本の政治も捨てたもんじゃないかも?と思わせてくれたのですが…。
堂々と噓をつき、書類やデータを改竄し、隠蔽し、追及の声には論点をすり替えて誤魔化し、何の根拠もなしに自己正当化を繰り返す総理が続いてる現実を直視すると、やはり日本は腐ってるのかなと絶望的になりますね。
『のぼる小寺さん』
主人公である小寺さんは何もしません。
何もしないというと語弊がありますが、自分がやりたいことにただひたすら打ち込んでいるだけです。
そんな小寺さんの姿を見て、周りの人間がどんどん変わっていきます。
彼女からは直接周囲には何一つ働きかけてはいないのに、多くの人間の生き方を大きく変えてゆく。
そんな彼女の不思議な存在感、そして彼女が周囲に与える心地よさを堪能するだけの映画です。
『アルプススタンドのはしの方』
これまた直接働きかけずに、周囲の人間に大きな影響を与える人が出てくる映画です。
いや厳密にいえばその人たちは画面にすら映りません。その向こう側にいる、と語られるのみです。
たかが高校野球の、たかが一試合の展開がそれほど大きな力を持つものなのかどうか。
フィクションとして、そこに作為的なものが全く感じられないと言ったら噓になりますが、ある人にはとるに足りない経験が、別の人には人生を一変させるような大きな体験になるというのはあり得ることです。
またその体験の瞬間には大きなインパクトがあったものの、結果的にはその後への影響は小さかったということもあるかと思いますが、それでも人は変わってゆくものだと思います。
『はりぼて』
政治絡みの作品が続きますが、これも政治の腐敗をあぶり出している作品です。
あまりの出来過ぎぶりに、これはドキュメンタリーではなくフィクションなのだと錯覚してしまいそうになりますが、これが日本の実態なのでしょう。
こんな三文芝居を堂々と見せられた日にゃ、何も信じられなくなりますね。
以上、5本についてコメントを加えてみました。
昨年は更にジタバタして次点を沢山選んだりと悪あがきしましたが、今年は特になし。
まあ、あえて選ぶならこの2本ですね。
2020年は正に”エンタメが死んだ年”と呼んでも過言ではなかったですが、2021年も厳しい年になりそうです。
それでも何とかエンタメの火を絶やさぬようにしていきたいものです。