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『仮面ライダースーパー1』

またまた引っ張り出してきた昭和ライダー映画の一本。
主役はスーパー1で、8人ライダーはあくまで彩り。
そして拳法主体のアクションは見せ方にも工夫を凝らし、なかなか見応えのあるものになっているお気に入りである。

ところで昨今のウルトラシリーズやスーパー戦隊シリーズでは、レジェンドヒーローの共演に際しオリジナルへ対するリスペクトが強く感じられるようになっているのに対し、どうも今一つに思えてならないのが昭和ライダーの扱い。

オリジナルの役者を連れてきたり、当時を彷彿とさせるようなアクションシーンなども垣間見られるものの、あくまで現代的にリメイクしました、という感が強い。
ここ十年近くでも藤岡弘をはじめとして、速水亮、菅田俊、倉田てつをらの出演を実現させたのは評価出来るのだが、どうしても物足りない。

ウルトラシリーズやスーパー戦隊での客演と比較して何が足りないのかというと、こだわりと愛情だろうか。
というとざっくりし過ぎなのだが、もっと端的に言ってしまえば「音」!
音楽と効果音なのだ。

特にウルトラシリーズでは主題歌のみならずBGMもお馴染みのものを使い、効果音も当時のものを再使用している。
ところが仮面ライダーはどうか。
辛うじて効果音はオリジナルのものが徐々に使われるようになったものの、主題歌すら使われない。
仮面ライダー1号は本郷猛=藤岡弘が変身するから本物なのではなく、やはり菊池俊輔メロディーを背負って戦ってくれて初めて本物なのだ。

というとこの作品の時点で既に客演ライダーの声はテアトルエコー所属の声優さんの持ち回りだし(V3だけは宮内洋がアテている)、効果音もアクションも往時を再現してるとはいいがたいが、それでも足りない部分を菊池メロディーが補っている。
シリーズ物とはいえ、今は別作品の音楽を流用すると別に使用料金が発生するらしいのだが、金をかけるべきところはかけるべき。
手を抜いても良いことは一つもない。
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しかしこの作品、舞台となる場所の距離関係とか、経過時間(日数)とか、よく考えると(考えなくても)色々と不思議だなあ。
山彦村は東北地方にあるはずだが、村が燃えてるのが赤心寺から見えるみたいだし、村から逃げ出した子どもたちは歩いて東京まで出てきたのか?
事件発生から東京の学校へ転校するまで一週間程度でもう馴染んでるし、後半では再び歩いて東北へ。
それとも東北といいつつ、実際は北関東あたりに住んでいるんだろうか。
うーん。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/2227237/
https://odin2099.exblog.jp/22962202/
https://odin2099.exblog.jp/25636110/
https://odin2099.exblog.jp/27767527/


Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2021-07-13 10:49
タイトル : 『仮面ライダースーパー1』『仮面ライダー対じごく大使』『..
特集「KAMEN RIDER FILM ARCHIVE vol.1」の3プログラム。 ◆『仮面ライダースーパー1』丸の内TOEI2 五つ星評価で【★★★かんらかんら】 1981年、カラー、47分、初見、山田稔監督作品。 「仮面ライダースーパー1」という仮面ライダー自身を見るのが実は初めてで、新鮮だった。 そーかー、ウルトラマン・レオみたいに拳法使いなのかあ。でも、光線技とかを使わない仮面ラ...... more
Commented by ふじき78 at 2021-07-13 10:40 x
あの中国3000年の「空飛ぶ火を吹く戦車」、過去マタギの里を襲って平定したにしてはオープンカータイプなのが気になる。夏か、夏のうちに平定したのか。冬にオープンカー開けたまま運転して東北のドカ雪にやられたら中国3000年でもアカンやろ。火を吹く事はできても、空の上では床板はがして暖を取るくらいしかできそうにない。この戦車をナチスが手に入れてもやはりロシア戦線で勝てなかったかもしれない。
Commented by odin2099 at 2021-07-13 22:34
> ふじき78さん

スーパー1の冷凍光線に再三やられていたところを見ると、「空飛ぶ火の車」は寒さに弱いのかもしれん。
それに飛行速度はそんなに早くなさそうだから、あれにのって中国からやってきた王様はかなり度胸のある行動派かもしれない。
というか、覇権争いなどに敗れて亡命してきたんじゃないかと思うけど。

玄海老師が怪人を素手で倒すのは、当時の映画館でも笑いと歓声が上がったシーンだったな。
by odin2099 | 2021-01-16 18:17 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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