昭和36年のニュー東映の作品。
千葉真一が
アイアンシャープなるヒーローに扮し、海王星人の地球侵略を阻止するというお話。
出演は他に水上竜子、江原真二郎、小宮光江、亀石征一郎、松本克平、増田順司、神田隆、山本麟一、須藤健。
監督は太田浩児。
で、このアイアンシャープが強いんだか弱いんだか。
千葉ちゃんのアクションは戦っているというより、体操してるか踊ってるような感じだが多少は見せるのだが、相手役が下手で全然強そうじゃない。

また空飛ぶスーパーカーに乗って颯爽と登場はするのだが、マシン共々デザインが地味すぎる。
先輩格の月光仮面や七色仮面、同時期のナショナルキッドと比べてもヒーローらしさはまるで感じられない。
この映画、
「ナショナルキッド」をベースにしたとかいう話なのだが、それなら「ナショナルキッド」」をそのまま映画化した方がよりヒーロー映画っぽくなったんじゃないかな。
ヒーローの力に頼らずに(といってもアイアンシャープが戦力として計算できるかは微妙だが)科学者たちが事態解決に大いに貢献しているのと、子どもたちが少年探偵団よろしく邪魔にならない程度に大活躍する(というか手掛かりは殆ど彼らが掴んでくる)のが目新しい点だが、お話の運びは緩いので今日の目で見てしまうと75分は怠い。
今回見直してもその思いは変わらなかった。
ただ終盤の海王星人による都市破壊シーンは、大胆な合成ショットと大掛かりな爆破シーンの組み合わせもあって十分に見ごたえあるものになっている。
東京タワーも国会議事堂も木っ端微塵!
東宝特撮映画ではなく東映の作品でこれだけの特撮ショットが当時作られたというのはちょっとした驚きだ。
ところでこのヒーロー、作品中ではその出自や背景、正体が一切語られない。
子どもたちに慕われている青年科学者・立花真一がその正体であろうということが(千葉真一が演じているのだから)観客にはわかるようにはなっているが、自らの知力・体力で戦っているのか、あるいは彼もまたどこか別の星から来たのかは謎に包まれたままである。
続編の構想でもあったのだろうか。