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『LEGEND/ハリウッド最強のエージェント、マイケル・オービッツ自伝』

『LEGEND/ハリウッド最強のエージェント、マイケル・オービッツ自伝』 マイケル・オービッツ

『LEGEND/ハリウッド最強のエージェント、マイケル・オービッツ自伝』_e0033570_18365417.jpgタレントエージェンシーのメールマンから始まり、独立して起業。
人気俳優や作家、監督たちをかき集め、自らが創業したCAAを業界最大手のタレントエージェンシーに育て上げ、ハリウッドで権力を手にし、称賛される一方で恐れられ、忌み嫌われる。
それは身内と言えども例外ではなく、CAAを追われるように去り請われてディズニーの社長となるも、社内の政争に敗れクビに。
しかし今ではハリウッドと決別し、シリコンンバレーに君臨しているのだから只者ではない。

その強引なやり口から敵も多かった人物だけに単なるサクセスストーリーになり得る訳もなく、如何に自分は仕事一筋にがむしゃらに頑張ってきたか、他者にはない自分の強みは何か、その他諸々を含めた自慢話が列挙されているので辟易する部分もあるのだが、一つの成功話の次に起こる難題、その波乱万丈ぶりはページを繰る手を休ませない。

中でも興味深かったのはソニーによるコロンビア・ピクチャーズの買収や、松下電器のMCA/ユニバーサル・ピクチャーズ買収に至る裏話。陰でその巨額のM&Aを仲介したのはオービッツなのだ。
また随所に彼なりの考察に基づく「日本人とはこういう人種だ」という描写も面白い。

ちなみに彼の後にディズニーのトップに立ち、ピクサー、マーベル・スタジオ、ルーカス・フィルム、20世紀FOXなどの買収を成功させたのがロバート・アイガー
なので彼の自伝「ディズニーCEOが実践する10の原則」も併せて読むと、当時のディズニーの内部事情の一端に触れられるので更に愉しめるだろう。
by odin2099 | 2021-02-05 18:37 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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