『グンダラ/ライズ・オブ・ヒーロー』(2019)
2021年 02月 18日

人助けをしたことで逆に集団リンチに遭っていたところを年上の少年アワンに助けられ、以後は厄介ごとに関わらないように生きてきたが、やがて見て見ぬ振りも限界に来ていた。
幼い頃に雷に打たれたことで特殊な能力を身に着けた彼は、長じて人々を苦しめ、暗殺者集団をも率いるマフィアのボスであるペンコールと対決することになる。
インドネシアで人気のコミックヒーローの実写化作品。
ブンミラゲットスタジオが所有する1,100以上のヒーローキャラクターを映画化するという<ブンミラゲット・シネマティック・ユニバース(BCU)>の第一弾。
2025年までに8本の製作を予定しているという。
自らヒーローになるというのはアイアンマンっぽいし、コスチュームがお手製というのはスパイダーマンっぽいが、社会的弱者がヒーローになるというのはデアデビルっぽいかなとも思ったりしたのだが、作品の暗くて重たいトーンはむしろバットマンに近いかも。ヒーローというよりはビジランテだ。
主人公は徹底的に痛めつけられるし(人助けをすると必ず倍返しの報復を受けるという連鎖)、お手製のヒーローコスチュームも格好悪いが、ラストでは新たなコスチュームも手に入れるし、エピソード1ということで許容範囲だろう。
それよりも伏線を張りまくりで終わってしまうのがどうにも…。
ペンコールは倒したもののその背後にはもっと恐るべき存在が潜んでいるし、死んだと思われていたサンチャカの母は生きている可能性があるし、サンチャカを助けた兄貴分のアワンの唐突な退場の仕方は明らかに次回作以降での再登場を予見させるし、そのサンチャカが能力を得たのには何やら理由がありそうだし、ラストには謎の美女ヒーローが登場し更にその仲間と思しき人物も登場して思わせぶりな台詞を吐くし…。
次があるなら早く見たいもんである。
今度はもう少し明るく、爽快感のあるヒーロー映画だと嬉しいんだが。