『PIXAR/世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』 ローレンス・レビー

著者のローレンス・レビーはピクサーの元CFOだった人物で、ある日
スティーブ・ジョブズからかかってきた一本の電話からピクサーに関わるようになる。
それは長編映画「トイ・ストーリー」を製作中でこれからいよいよ世に打って出ようという時期で、それまでピクサーはジョブズの自腹で支えられていたのだ。
苦心惨憺の上、ようやく完成した映画は公開されて大ヒット。
株式の公開も成功し資金繰りの目途も立ち、自社にとって不利だったディズニーとの契約の見直しを行い、後続の作品群もヒットを重ね、一旦はディズニーとの再契約交渉は決裂するものの、最終的には好条件でデイズニーへの売却を成功させるまでの凡そ十年間が、”内部の人”の目で語られている。
ルーカスフィルムのお荷物部門が、如何にして世界最高峰のアニメーションスタジオに上り詰めたかについては
「ピクサー/早すぎた天才たちの大逆転劇」といった書籍があるし、ディズニーの買収劇をディズニー側から描いた
「ディズニーCEOが実践する10の原則」もあるので、併せて読むと当時の状況が多角的にとらえられ興味が増す。