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『ネズラ1964』(2020)

東宝の「ゴジラ」映画に対抗するべく、本物のネズミを使った大映の怪獣映画「大群獣ネズラ」だったが、撮影中にノミ、ダニが大量発生で近隣の住民からクレームが殺到。保健所からの勧告もあり撮影は中止に追い込まれ、幻の作品と化した。
だがこの時のノウハウを生かす形で誕生したのが、かの「大怪獣ガメラ」だった。
この特撮ファンには有名なエピソードを題材にしたのが本作「ネズラ1964」だ。

『ネズラ1964』(2020)_e0033570_07283431.jpg大映ならぬ太映の新作映画立案会議から、テストフィルムの製作を経て企画にゴーサインが出て、製作発表、出演者を集めての本読み、クランクイン、と順調に進んだかに見えたのだが、撮影時のトラブルが続出し、遂には製作中止に追い込まれるという過程を、架空のメイキングフィルムを使っているという想定で綴っている。
最後は意気消沈した社長が新たな企画を思いつくという場面で終わるのだが、物語はフィクションで登場人物たちは仮名とはいえ、モデルは誰で元ネタが何かということは比較的容易に想像がつく。

出演は螢雪次朗、菊沢将憲、米山冬馬、小野ひまわり、斉藤麻衣、大迫一平、内田喜郎、佐藤昇、佐野史郎、古谷敏、マッハ文朱ら。
企画・脚本・監督は横川寛人。

特撮映画所縁のキャスト陣が並び、マッハ文朱に「宇宙怪獣ガメラ」のような主題歌を歌わせ、渡辺宙明作曲で串田アキラが歌うイメージソングまで用意しているのだが、ネズラにはガメラと違ってヒーロー的要素がないのにヒーロー風ソングを持ってくるアンバランスさがどうにも居心地が悪い。

それに幻に終わった「大群獣ネズラ」を、最新の技術を駆使して今度こそ実現させる、というのならばいざ知らず、幻の作品の、更に幻のメイキング映画を作ろうという発想は面白いとは思うのだが、自分にはちょっと理解出来なかった。
1時間足らずの小品なので気軽に見られるし、全編の殆どを白黒映画とし、”あの頃”の気分を再現しようとしているその意欲は買うのだが。


by odin2099 | 2021-02-24 07:29 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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