『キングコング対ゴジラ』
2021年 03月 10日
新型コロナウイルスの猛威依然冷めやらず、まだ予定通り公開されるかは不透明ですが、愉しみではあります。
それに先駆けて我が日本の誇る怪獣映画の金字塔、「キングコング対ゴジラ」のおさらいです。
まあ再三書いてますけど、個人的には怪獣映画として傑作だとは思えないのですが、一級の娯楽映画であることは間違いありません。
今回は<チャンピオンまつり>版をチョイスしました。

台詞一つでポーンと別のシーンへごくごく自然に切り替えますし、テイストの異なる要素も違和感なく融合させます。
製薬会社とテレビ局を中心にした視聴率競争、極楽コンビの南海での冒険、若い恋人たちのすれ違いのメロドラマからの命がけの逃避行、そして二大怪獣の激突という具合にこの映画の脚本から3つか4つの作品が作れそうです。
それらを破綻なく取り込む構成力といっていいんでしょうか、そのあたりは実に見事。
とはいえ、幾分か散漫な印象は受けますし、全体的にコミカルなトーンが強調され過ぎてるのが、怪獣映画としての魅力を損なっているんじゃないかなあ、というのが自分が手放しで歓迎出来ない理由です。
せっかくの二大怪獣の世紀の一戦なのに、余計な要素が多すぎるなあ、と。
レジェンダリー製の「ゴジラVSコング」はまさかこのようなコミカルな作風にはならず、二大怪獣の激突を正面から描いてくれると期待しております。
【ひとりごと】
ゴジラ生存の理由に対する仮説として大賀蓮の話題が出てきますが、今の若い人たちは知っているんですかね、大賀蓮。
この映画が作られた時点で、花が咲いてから既に10年なので決して時事ネタというほどでもないんですが、まだまだ世間での共通認識としてあったんでしょう。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3276982/
https://odin2099.exblog.jp/8958172/
https://odin2099.exblog.jp/25169558/
https://odin2099.exblog.jp/27127811/
「キングコング対ゴジラ」はゴジラシリーズ初のカラーで、モノクロの前作2本とは打って変わっての陽気な作風になりましたね。冬眠から覚めてマッチョになったゴジラ。日本猿をそのままデカくしたようなキングコング。自衛隊の策略で風船猿と化したコングの能天気な飛行に、ゴジラの「対メガロ」とはまた違った不自然な笑えるドロップキック。そして殆ど漫画の登場人物達の演技・・・・・・(爆笑)。
能天気に物語は展開しますが、思えばこの映画は登場人物の殆どが気の毒な体験をしますよね。番組の視聴率稼ぎの為に危険なファロ島へ送られた弥次喜多コンビ。ゴジラ&コング両方に襲われるヒロイン・ふみ子さん。コングに恋人を奪われる藤田さん。視聴率稼ぎに連れてきたコングには逃げられ、その後は多大な責任を負わされると思われる宣伝部長。毎度の事ながら怪獣に振り回される自衛隊と一般市民(今回は島民も)。
それでも私が一番可哀そうだったのは、ファロ島に生息するトカゲちゃん。何をしたという訳でも無いのに、たまたま尻尾を握ってしまった弥次喜多の一人にブンブン回された挙句に崖下へ捨てられ、もう一人にライフルの追い撃ち・・・・・・(汗)。
全身画像を見ましたが、可愛い♪可愛い♪♪こんな可愛いトカゲちゃんを酷い目に遭わせるなんて、私にはとてもできません。何て事するんだ!!弥次喜多コンビ!!
可愛いトカゲちゃん、どうか弾が外れて生きている事を祈りたいです。
つい取り乱しましたが(苦笑)「キンゴジ」は観客動員数がダントツ1位の1255万人で未だに記録が破られていないのですよね。日米怪獣対決の傑作、これからも不朽の名作であり続けるでしょうね。