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『ドンファン』(1973)

『ドンファン』(1973)_e0033570_22210339.jpg男を支配することに喜びを見出す、若く裕福な女性ジャンヌ。
神父への告白という形で描かれるのは、彼女の華麗なる男性遍歴だった。
著名な大学教授、横柄な資産家とその若妻、彼女に恋焦がれているギタリスト…。
彼女と関わった後に大学教授は地位も名誉も家族も喪い、ギタリストは自ら命を絶つ。
そして今ジャンヌの標的になっているのは、彼女に靡こうとはしない神父だった。
そんな彼女の遍歴の行きつく先は果たして――?

別題が「ドン・ファンがもし女だったら」。
ブリジット・バルドーが”ドン・ファンの再来”ともいうべき、魔性の女を演じている。
美貌は未だ衰えずと言いたいところだが、些か薹が立った感があるものの、この時の彼女はまだ30代。
しかしこの作品を最後に女優を引退したのは潔い。

監督はロジェ・ヴァディム。
共演はジェーン・バーキン、ロベール・オッセン、マチュー・カリエール、モーリス・ロネら。
ジェーン・バーキンがまだ初々しさの残るオールヌードを披露。
バルドーもヌードシーンがあるが、鏡越しのショットやアングルの関係であまりハッキリとは見えないのが残念。

バルドーの私生活を彷彿とさせる、”恋多き女”の恋愛遍歴ということからコミカルな部分もあるのだろうかと思っていると、映画は終始重たいトーンを貫く。
結末も”因果応報”とも言えるものではあるが、救いがなく、少々後味が悪い。
といってハッピーエンドにはなり得ない物語ではあるのだが。




by odin2099 | 2021-03-16 22:22 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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