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『キングコングの逆襲』<再編集版>(1973)

『キングコングの逆襲』<再編集版>(1973)_e0033570_21590269.jpg『キングコング対ゴジラ』に続く東宝版『キングコング』映画の第二弾。
契約期間が切れる前にもう一本作っちゃおうという企画で、前作『キングコング対ゴジラ』の続編でも姉妹編でもない。
むしろ原典である『キング・コング』のリメイク版的側面も。

実はこの作品の前にもう一本別のストーリーが用意されていたが、アメリカ側が難色を示したためにボツ。
そちらは主役をゴジラに変え『ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘』として製作された、という経緯がある。

今回は再公開に際して再編集された<東宝チャンピオンまつり>版で鑑賞。
オリジナルの『キングコングの逆襲』は上映時間104分あるが、この再公開版の上映時間は59分。
なんと45分もカットされている!

それでテンポが良くなって面白くなったのか、というと然にあらず。
何が原因なんだろう。
単にバサバサ切ったせいで説明不足に陥り、お話が分かりづらくなっただけだった。

『キングコングの逆襲』<再編集版>(1973)_e0033570_21581630.jpgビリング順では野村三佐を演じた宝田明の主演映画ということになるが、相棒であるネルソン司令官役のローズ・リーズン、ヒロイン格のスーザン・ワトソンを演じたリンダ・ミラー共々存在感が薄い。
能動的ではなく受動的なキャラクターだということもあるが、ちっとも魅力的に描かれていないのだ。

ちなみに野村とスーザンは恋仲という設定だが、むしろスーザンとネルソンの方が頻繁にスキンシップを取っていたりで怪しく見えたりするのだが、ひょっとして三角関係だったりして。

その主役トリオ以上に目立っているのが、某国の工作員”マダム・ピラニア”役の浜美枝と、狂気の天才科学者ドクター・フー役の天本英世で、二人とも実に愉しそうに演じている。

この二人のやり取りは、当時ブームになっていたスパイ・アクション物を彷彿とさせ(浜美枝がボンドガールだったこととは関係なく)、怪獣映画というより『007』を見てるような気分にちょっとだけなる。
もっとこの二人を前面に押し出した方が、乱立する怪獣映画の中でも異彩を放つ存在として楽しめたように思うのだが。

【ひとりごと】
リンダ・ミラーの子供の一人が『ジェロニモ』、『スリーパーズ』、『スピード2』などで活躍したジェイソン・パトリックなのか。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/8597333/


by odin2099 | 2021-04-08 22:09 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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