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『電撃フリント/GO!GO作戦』(1966)

世界中の気象をコントロールする装置を開発し、世界を脅迫する秘密組織ギャラクシー。
対するZOWIE(国際連帯秘密諜報機構)はその野望を阻止せんとするが失敗し、フリーランスの凄腕スパイ、デレク・フリントに白羽の矢を立てる。
当初は依頼を断り続けていたフリントだったが、ギャラクシーが早くも自分を狙ってきたため受諾することに。

『電撃フリント/GO!GO作戦』(1966)_e0033570_21583072.jpgジェームズ・コバーンが主演した<007>ブームに便乗したスパイ・アクション映画。
四半世紀ぶりに見直したのだけれども、こんなに面白くなかったかなあ、というのが素直な感想。

自ら考案した秘密道具を持ち、武術の達人で金持ち、周囲に美女を侍らしマイペースで任務をこなすフリントは、ジェームズ・ボンドのアンチテーゼとしては面白い存在ではあるのだが、演じるコバーンに洒落っ気が感じられず、動きも俊敏とは言えないので映画は今一つ弾けきれない。

フリント・ガールとでも呼ぶべき存在の美女たちも、フリントの周りにただいるだけ。
途中でギャラクシーは「フリントの弱点」だとして彼女たちを誘拐、洗脳するのだが、人質として利用するわけでもフリントに対する刺客として差し向けるでもなく、単に組織の男性メンバーに奉仕させるだけ。
フリントによってあっさり洗脳も解けるし、お色気要員としても物足りない。

フリントを度々つけ狙う悪女ギラは時に色仕掛けで迫ったりもするのだが、度重なる任務の失敗によって処刑寸前。
そこをフリントによって助けられたということもあるのだが、途中で組織を裏切ってフリントと結ばれ、終わってみればヒロイン枠に昇格、というのもちょっと時代を感じさせる。
今の時代ならこのプロット、女性キャラを男性キャラに隷属させる描き方だとして、批判を浴びるかもしれない。

出演は他にリー・J・コッブ、ギラ・ゴラン、エドワード・マルヘアら。
ハル・フィンバーグの原案をベン・スターと共同で脚色、監督はダニエル・マン、音楽はジェリー・ゴールドスミス
好評につき続編も作られた。

【ひとこと】
フリントのライバルとして「0008」と呼ばれるスパイも登場。
これがちょっとショーン・コネリーに似てるのが笑える。
なお吹替だと「0008」ではなく「008」で、ギャラクシーをスペクターより凄い組織だとフリントに伝えている。
勝手に名称使っちゃって良かったのかな?


by odin2099 | 2021-04-08 22:21 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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